黒い雲
初めての執筆です。
下手な部分は必ず出ると思います。
その時はそこの詳しいコメントを下さい
ここの意味が分かりづらいや分からないといった意見も歓迎です。
試合に負け、部室のロッカーを整理して、俺は家に帰る。
その前に神社によろうと考えた。
部室にあった自分の荷物、高校名の書かれたユニフォーム、帽子、バックなどは学校の下駄箱のとなりにあるごみ収集の場所に放り込んできたため手ぶらである。
グローブは部のファーストミットを借りていたため、捨てていない。例え自分のであったとしてもグローブはチームとは関係のないもののため、捨てない。
チームに関係するものだけ捨てた。
今から行く神社の目的はこれから始める受験勉強のため、学業成就のお守りを買いに行くことだ。
別に俺は神なんてものは信じていない。
しかし、形から入ることは全ての事において、努力を継続させるためのポイントの一つである。
だからこそ、俺は形から入ろうといつも思っている。
ゴミを捨てたのも心機一転、気持ちを切り替えるためだ。
決して八つ当たりではない。
「あー、何の科目からやろうかなー?
数学の数列は早めにやらないと間に合わないだろうし。」
俺は自転車をこぎながら独り言をする。
「センターまで5カ月ちょっと。
まじで時間ねーじゃん。
ほんと、結局使われないなら2年の秋にやめればよかったわ。
てか、最後の方は、明らかに俺の打球の音が周りと違ってたよなー。
最終的に俺一番打てたんじゃねーの?
あのくそ監督まじなんなん?
あー、むかつく。」
すぐに野球の愚痴に代わる。
俺はベンチ入りできなかったことよりも監督に対しての怒りが強かった。
ベンチ入りができなかったときは、思わず、監督の胸ぐらをつかんでしまった。
その後、チームメイトからは変な視線、陰口されるようになった。
「人生やり直してー。」
空は俺の心を表しているかのようにどんよりとしていて今にも雨が降ってきそうである。
ぼやいている間に神社に着き、階段の前に自転車を止める。
この神社は山の上にあり1000位の階段を登らなくてはならない。
別に何かの有名な神社でもなく、階段がただ、多いだけの普通の神社である。
「こんだけ登るんだから、さすがに御利益はあるだろ。」
俺は耳にイヤホンをさして音楽を聞きながら登ることにした。
登っている内に風が強くなっていき、空には黒い雲がだんだんと流されてきていた。
階段を登るのに俺は集中しているため、空の様子に気づくことなく、登った。
「951,952、はぁはぁ、くっそ。1000以上あんじゃねぇかよ。」
上を見ても明らかにあと100段ぐらいある。
ポツ
俺の鼻に雨粒が落ちた。
その時になって空に黒い雲がいっぱいになっていることに気づく。
「やべえ、暗すぎねえか。ギリギリ降っていないけど…間に合うかな。」
俺は残りの階段を登り切ることにする。
今から降りても逆に時間がかかるし、上に行けば屋根の下で休むことができるからだ。
そしてペースをあげる。
耳にしていたイヤホンは登る勢いで外れそうになったので外した。
俺が急いでいるのを急かすように蝉がミーンミーンと鳴き、うるさい。
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やっとのことで1042段もの階段を登り切り、汗びしょびしょで半袖ワイシャツが透ける。
今は夏であり、暗くなっていても気温は30度近くある。
「な、なんぼのもんじゃい。はぁはぁはぁ、はーーぁ、ふーーー。ふう。ほんと、高すぎじゃね?足がパンパンだわ。」
息を整え、俺は上った階段をふりかえって見る。空はさっきよりも暗くなり、まさに今、降りそうである。
風も強くなっていた。
「やべぇ、下の建物小さすぎ。」
俺は登ってきた階段の下を見る。
暗くなっていたためよく見えなく、意図せず少し前のめりになっていた。
ゾクゾク
高い所に時に感じる寒気が俺に襲ってくる。
怖さからか、疲れからか、フラフラと俺の体が揺れる。
そして、その瞬間今までで一番強い風邪が吹いた。
(やばい!)
前のめりになっていたため、体勢を崩す。
俺は踏ん張ろうとしてもハイペースで階段を上った後なので疲れで思うように足が動かない。
(終わった。)
そう思った時、すでに中に浮いていた。
フワッ
(うわ、すげぇ。ジェットコースターの浮く感じよりす…)
『重力魔法を手に入れました』
「え?」
ピカッ
さらに雷が俺に当たった。
『雷魔法を手に入れました』
走馬灯なんてものを見る暇もなく安藤将大は死んだ。
安藤将大、17歳でこの世界を去った。死因は落雷による感電死。
落雷がなくても頭を階段に強く打っていたため、無事にはすまなく、おそらく、脳に障害がでていた。
医者は障害が残り生きて苦労をするよりは、亡くなった方が本人にはよかったのかもしれないと俺の親に言ったそうだ。
俺は死んだ。
しかし、この世界の魔法属性を覚えた後に。
評価をつけてもらえたら幸いです。