表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬱病とGID  作者: 東雲
30/44

その30.ずっと続くホルモン治療……

2023年3月7日


今日、ジェンダークリニックの日でした。

いつものように、14日間隔で、仕事終わりに、通勤経路とは逆方向の電車に乗る。

30分程度で着くとはいえ、割と精神をすり減らすものだな、と感じています。


前回、すごく前向きな気持ちになれていたのを記事に書きましたが、今の気分はそこまでじゃない感じ……。正直、やめられるならやめてもいい、と思えてます。


でも、せっかく何十万円もかけて「今の私」になれたのに、とも思う。


だって、それはこれから何十年も、いつの日か、ホルモン治療を止める決断をするまで、ずっとずっと、年間10万円以上の自己負担額を、継続していくことを意味するんだ。


もし


もし、神様がいたとして、


「戻れるなら(ホルモン治療前に)戻るか?」


と問われたら……。


今は、どうこたえるか、迷うかもしれない。


この、年10万以上という額を、ほかの何かに使えたらどうか、と使途を思い浮かべてみる。


でも、結局は、私にはたいした使い道は思いつかない。せいぜい、靴や服を買うくらいだし、それだって、そんなにたくさんは無理だ。置く場所も私には限られてる。


だから、結局のところは、まるで「自己啓発」のように感じなくもないけど、こうしてホルモン治療にお金を使っていることに、満足してしまう。肯定してしまう。否定できない。


こうでも考えないと、この不可逆の変化を、受け止められないのかもしれない。


もっと女性っぽいからだになるのかと想像してた。


でも、現実は違う。


もちろん、からだつきは柔らかさがつき、乳腺がちゃんとできた喜びは計り知れなかった。でも、このからだは、想像していたよりも、ずっとずっと「男のまま」だ。


失望と期待を抱き続けて、ホルモン治療を続けていくんだろうと思う。

来年も、その翌年も。


せめて、男にも女にも見えない、そんな容貌を目指せたらいいな、と

そんな風に思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ