表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬱病とGID  作者: 東雲
29/44

その29.理想像は変わる

この間、メンタルクリニックに行ってきました。

もうずいぶん落ち着いてきていて、急な不安、焦燥感に襲われる、なんていうことはなくなってきました。

一方、「自分の在り方」については、ここ最近で変化してきたなぁ、と思っています。


昔…というか、移行を決めた数年前は、理想としての私は、「女性的な自分」でした。


男性的な要素を、服装や髪型から排除して、極力女性的でありたい、と思っていました。


だから、買う服もスカートが多くて、ジェンダーフリーというよりもフェミニンな雰囲気を目指していました。特に髪型はこだわりが強くて、しばらくはロングヘアに憧れて伸ばし続けたり、切ったとしてもボブで維持し続けていました。メンズカットのようになってしまうのは、どうしても嫌でした。


職場で、異性装勤務してよい、という話が通ったということも相まって、なおさらその傾向は強く出続けていました。家の中ではメンズのままだったのもあり、反動のように職場ではスカート中心でした。


でも、前回、思い切ってツーブロックのショート(レディースカット)にしてみたら、意外とフェミニンな感じも残しつつも、カッコイイ感じも出せていて、予想以上にイヤリングが似合う髪型になったことが、変化のきっかけとなった気がしています。



それ以降、「自分の理想像」を、客観視できるようになってきている気がしています。


固執していた「フェミニンな自分」から、もっと幅を広げた自分への拡大、と言えばいいのでしょうか。


女に生まれたかった、という気持ちは今でも否定できませんが、今の自分を受け入れて、性自認を少し柔らかく捉えられるようになったのかもしれません。


服装はメンズでもレディースでもいいんじゃないか。

髪型も、ショートでもいいんじゃないか。

男・女の二者択一じゃない選択肢を、表現していいんじゃないか。


そう思えています。


女性に映りたい、という気持ちはもちろん消えませんが、今は「男でも女でもどっちで映ってもいい」、「男でも女でも、どちらでもない」という気持ちの方が強い気がしています。


女性としてパスしたい、と、理想を追い続けるのは、辛かったです。そうじゃない現実を突きつけられることばかりでした。ファッション誌を読んでても、「私は男だし似合わないだろう」と考えるばかりで、好きなモデルであっても自己投影できないことが多かったです。


でも、そこから少し離れた位置から自分を見つめることができてきた、と言えるのでしょう。


追い求めても、現実との乖離に苦しむばかりであるならば、「理想像」がマイナスに働くだけです。


それならば、本来の目的に近づけて、理想像が、自分の理想として自己肯定感を高め、自己を容認できるようにしていった方がよいのかもしれません。


性自認は揺れる、というのは、Xジェンダーの仲間の中でたびたび出る言葉です。移行当初は信じていませんでしたが、次第にその言葉通りだな、と思うことが増えてきています。


少しでも安定した自分であり続けたい。

そう思います。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ