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鬱病とGID  作者: 東雲
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その14.プエラリア再開と性同一性障害者が教壇に立つこと

2021年2月23日


服用をいったんやめよう!となって、一旦はストップしていました。

(前回の「その13」を参照ください)


でも結局、もう一度買って、再開することになりました。

理由は…うまく言えないんですが、服用しないとしないで、不安が強くなったから、です。

このまま服用せずに、またもとに戻ったら、私はどうするんだろう、どこにいるんだろう。

それが不安で、服用を再開しました。2,3日おきに1錠飲んでいます。



私は自己紹介でも触れていますがMtX(F)です。女性寄りの中性、です。自認する性別は男性とは少し離れています。


自認する時期には人それぞれタイミングがあるので、一概に言えないところがあるのですが、私は遅めでした。30過ぎてから自覚して、MtX(F)として生きていくことに生きる希望を見つけました。


現在、私は女装して(こう表現するのは嫌いですが)教壇に立っています。出勤して着替えています。職員室でも普通に仕事をしていますし、他の先生とも円滑に協働できていると思います。


ただ、私自身は、教科担当として英語を指導することがほとんどですので、LHRなどの特別活動で、わざわざ教員から教材として持ち込まない限り、ジェンダー教育はなかなかできません。保健体育などでは触れているはずなのですが…。


メディアなどでは、生徒が性同一性障害の当該者である場合にのみ焦点を当てている気がしています。制服の男女の区別をなくしたという記事はよく見聞きするようになりました。


一方で、働く側である教員がそうである、ということは、前提になっていないかのような感じがしています。


理解ある職場で働けているおかげで、私が望む服装で仕事をすることができていることには感謝しかありません。


私は、あまり自分の方から性同一性障害のことをしゃべることはないのですが、それでもこの姿で授業をし、職員室でもこの姿でいることを見かけるという、その中で、生徒自身が、「あぁ、ひょっとしたらふつうのコトなのかも」「どっちでも同じかも」と思ってもらえる、そんな小さなきっかけになってくれるはずだ、と信じて授業に臨んでいます。目一杯好きな服に身を包んで。


ただ、私は思うのです。「どっちでもないな」と。


生徒に混じって掃除しているときにも感じます。職員室で仕事の話をしている時も、ちょっと世間話をしている時も感じます。私は、どっちにも溶け込んでない。


いえ、嫌われてる、という意味ではありません。コミュニケーション自体は円滑なんですが、私の格好や髪の長さに関係なく、「男性陣」「私」「女性陣」という3つが存在し、私は女性陣には交じることができない、と肌で感じるのです。だから私は、女性の格好をしていても、「男」としてカウントされます。


何を当たり前の話を、とお思いでしょうか。


私は、少し疲れてきました。


このままでいいのかな、って思い始めています。


所詮、中途半端な存在なんだな、と孤独になります。

だって、結局、私は「どっちにもいない」ことになる。真ん中にいるように思えて、実は私の居場所は、本当は無いんじゃないだろうか。そう思います。



教員にも、性同一性障害に悩む人はいます。私以外にも。きっと。


もし。もしも、この孤独を癒やしてくれるとしたら。それは、教員同士の、同じ性同一性障害という、生涯、抱えていくしかない、性自認のズレを共有できる安心感なのかもしれない。


でも、私以外では、お見かけしたことはありません。


一人で、自分の信念を貫くのは、辛いことですね。


もしお読みいただいている方に、同志がいらっしゃったら。


どんなに心強いことでしょう。


明日も、教壇に立ちます。




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