アニマズにおける主要人物、並びに荒い筋書き 1
1900年初頭、ロシア帝国は阿鼻叫喚、断末魔をあげて瓦解した。
食うに食われぬ人々は腹を満たしてくれる救いを求め、その人情は大波のようにうねり様々な方面へ打ち寄せられていた。
大河の一うねりは科学者にも及んでいた。この混乱期を好機と捕らえ、名声を得るのだ、と。
凍てつく国の、ある時代の、燃え盛る革命とに支えられた野心の可能性の1編である。
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セルゲイ・ブルネンコ。ロシア帝国を我が物にしたラスプーチンのお抱えの一人である自称錬金術士。
彼のやっていることは、生物を掛け合わせることである。多くの動物達がその悪戯の犠牲になった。しかし、功績はあった。彼のセルゲイ研究所は後のソ連生物学者たちの学び舎として使われることである。
再度念を押すと、彼の研究所が使われることが功績であって、彼の実験の数々は面白みはあれど役に立たない、非科学的な子供の遊びである。はじめこそ解剖学的な、かつ後のウラジーミル・デミコフの接合技術を養うアカデミーであったし、スターリンの庇護の下に入った時は絶頂期を迎えた。だが、晩年、まったく成果があがらないブルネンコにスターリンの興味は薄れ、冷戦を迎える。こうして彼は多くの狂気の種を残し、この物語から引くことになる。
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次に、ウラジーミル・デミコフ。
彼は医者かられっきとした科学者になった人物である。臓器移植などの移植など、1930年代と1950年代にいくつかの移植を行ったパイオニア。人造兵士系列の研究者。
計画名ザ・コリー。それは、犬を改造してロボット兵を造る計画の総称であった。
ブルネンコと共にスターリンの庇護のもとに入った一人である。
彼の研究を分割すると、前期は移植技術などの医学系だったが、後期は生物工学系の科学者になる。
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ウラジーミル・デミコフ博士の影響で、アメリカの医師ロバート・ホワイトを刺激。ホワイトはアカゲザルに対して後述するイリヤ系の実験を行った。人体障害を持った人のために、動物工学を模した補助機械を作り。アルバート(?)の欠損部分に加工を加え、機械系強化人間の礎となる実験を終える。
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最後に、イリヤ・イワノフ。
無碍に動物を組み合わせるセルゲイの系譜であるが、関係は皆無。第1部に出てくるゾンビ兵との出会いで遺伝子にウイルスを介入させ、変異させる技術を発見し、超兵士を生むことに傾注した。
セルゲイ研究所にて、デミコフとイリヤは出会い、師弟として切磋琢磨しあうのだが、自身の研究の秘匿、優秀で若きデミコフへの妬みから仲違いになり、離れる。
援助元がなくなってしまったイリヤはアメリカの実業家チャールズ・スミスに支援を求めた。一時的に支援を受けていたが、成果ができ始めるとロバート・ホワイトの研究体型の傘下に入ることを勧められた。そこで研究報告するのを拒み、イリヤは帰国した。
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こうして、アニマズは2つの支流を持つことになる。
デミコフの工学系、イリヤの生体系。ロシア革命の波乱の中、彼らの研究成果の登場は冷戦まで待たなくてはならなかった。
そして、彼らの始祖の姿は、人間とは程遠い、兵器の延長線上でしかなかった。
レーニンがフィンランドから戻る際に、訪れた施設の一つがセルゲイ研究所。あまり良いように取られなかったが、後にスターリンもこの研究所を知り、レーニンとは逆に推奨した。
以下、上記を展開させた筋書き
ロシア帝国の影の権力者、ラスプーチン。何処からか、彼に繋がりがある有象無象の一人にセルゲイ・ブルネンコという男がいた。
錬金術により、生命を作り出すことを志す男だ。
ラスプーチンの取り計らいにより、敷地と掘っ建て小屋を手に入れたセルゲイ。そこから、徐々に錬金術の書物と牧場を拡大していった。
レーニンがセルゲイの研究所に訪れたが、科学とはかけ離れた様相に嫌悪を抱いたそうだ。
ついに動物実験が行われた、だがセルゲイは単に切り裂いただけであった。
これではいけないと、更なる拡張、人体錬成を確立するための優秀な人員が必要だと思い立ったのである。
ロシア帝国領土から、様々な人が招集された。
その中に、医者であるウラジーミル・デミコフがいた。
デミコフは、このセルゲイ研究所の闇なぞ知らず、淡々と研究に没頭した。だが、そこかしこにある洗脳装置により、静かに狂気に飲まれるのであった。
セルゲイの思し召しで、移植の道はどうかと聞かされた時、葛藤があった。それは、これから死ぬであろう人のために、生きた人間が犠牲になるということ。だが、セルゲイの口車に乗せられ、移植技術の道に傾倒するのであった。
時は、ロシア帝国からソ連へ。そして、大戦が起こった。ロシアはドイツと血みどろの戦いを繰り広げることになる。
無尽蔵に実験体が手に入る絶好のチャンスである。
デミコフの移植技術は更なる高みへ。比較的軽傷の人間が、重症の人間の犠牲になるという形で、継戦能力を維持したのだ。
大戦は終わり、スターリンの謁見があった。それは、この研究所が英雄的な活躍を示したことによる。
そこでセルゲイは対応して、スターリンの気にいるところとなった。
疲れを知らず、燃料も求めず、、、超兵士計画、その合意で謁見は終わった。
この後すぐに、セルゲイは他界する。
瞬く間に超兵士の噂は伝播していき、ひとりの初老医学研究者を引き寄せた。
彼は、イリヤ・イワノフ。ソ連の領土獲得の際、取りこまれた国の人間だ。
彼には、もう一人が付随していた。止血され生き残った人間。第1部のゾンビ兵である。
先の大戦で負傷した彼を、イリヤは処置を施し延命させた。今死んでもおかしくはない彼が生きているのは何故か、ソ連一の研究所で解明しようというわけだ。
デミコフとはゾンビ兵を介して切磋琢磨しあうのだが、自身の研究の秘匿、つまりウイルスが遺伝子を変異させる技術を発見し、超兵士を生むことへの第一歩。優秀で若きデミコフへの妬みから仲違いになり、ゾンビ兵を持ち去って研究所をあとにする。
援助元がなくなってしまったイリヤはアメリカの実業家チャールズ・スミスに支援を求めた。
デミコフ博士の影響で、アメリカの医師ロバート・ホワイトを刺激。ホワイトはアカゲザルに対してイリヤ系の実験を行った。ホワイト、人体障害を持った人のために、動物工学を模した補助機械を作る。アルバートの欠損部分に加工を加え、機械人間の礎となる実験を終える。
スミスに一時的に支援を受けていたイリヤだが、ゾンビ兵の修復という成果ができ始めるとロバート・ホワイトの研究体型の傘下に入ることを勧められた。そこで研究報告するのを拒んだ。
そのあと、彼と、彼の商売道具のゾンビ兵は消息はたった。
機械の体と昆虫の生命力をもったゾンビ兵、それがアメリカの大地に逃げ出したのである。彼は、人間界から離れたちころで今も生きている。
デミコフ系は獣人、ゾンビ兵は不完全変態昆虫系、ジューウ自身は完全変態虫人系の始祖、ロバートは機械人の肉体構造を。
ゾンビ兵は後にシートン部隊に鹵獲され、不完全変態昆虫系の外骨格装備形成に役に立った。