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トーナメント予選

「国枝、お前がこの『1年決闘』の中で期待している奴はいるのか?」

説明会が解散した後に国枝の友人である森田は国枝に尋ねた。国枝は説明会にやって来た生徒達が提出した参加表明書を両手でトントンとまとめている所だった。

「まぁ・・・何人かはね」

「どこでそういう情報入手してんだ?遊戯王が発売されてからまだそんな経ってないだろ?」

「・・・・・今の遊戯王はコナミっていう会社から発売されてるけど、その前にもバンダイからも発売されていたんだ」

「あぁ、それは見たことあるな」

「そのカードダス版で強かった者やトランプや将棋、オセロ等のゲームに強い奴らもこの大会に出ている。ゲームに関してのエキスパートである彼らならあるいは」

国枝はそう言うが、トランプのポーカーや七並べが強い奴が遊戯王でも果たして強いのかと疑問を禁じ得なかったが、追求はしなかった。

「俺が目をつけているのは・・・・この9人かな・・・」

国枝は参加表明書の束から9枚取り出して森田に手渡した。この9人こそが国枝が見るゲームのエキスパートであろう。

「黒澤貴也、木村丈、川野誠司・・・よくこれだけのエキスパートを集めたな国枝」

「この大会は元々発売されたばかりの遊戯王の大規模なテストプレイでもあるんだ。実際に大人数でプレイしてもらい、そのデータを本社に提出するらしい」

「・・・?誰がそんな事を?」

「ここの校長さ。コナミ社員と親交があるらしく、今回の実験に協力するんだとよ」

「ふぅーん・・・」

森田は国枝と同じく3学年の生徒である。ボードゲームにおいては右に出るものはなく『ボードゲームルーラー』の異名を持つ。

特にリバーシが得意で新進気鋭の若手ゲームプレイヤーである。背丈は国枝と並ぶ同じような身長。体格は国枝よりややガッチリしている。

「なぁ、森田」

国枝が言った。

「この大会はなぁ、さっきの説明会を終えて、参加表明書を俺に提出した瞬間から戦いは始まってるんだよ」

「? つまりどういう事なんだ。国枝」

「決勝とは言わず、今俺とお前の決着をつけようじゃないか?」

国枝もここ近所では屈指のゲームプレイヤーとして有名だった。国枝が得意としているゲームは将棋だった。

「おもしろい。イキナリ、ボードゲーマーの頂上決戦といこうじゃないか」

自信満々に勝負を始めた森田。だったがその勝負は一方的な物になった。森田に実力がなかったわけではない。

むしろ、この学校ではベスト5に入る程の実力者と言っても過言ではない。が、森田は国枝に全く歯が立たなかった。

「どうだ森田。今引いたのはまたしてもブルーアイズホワイトドラゴン。3枚目だ」

「ブ・・・ブルーアイズが3枚・・・!」

国枝のターンは続く。

「魔法カード、光の護封剣で森田のモンスターを表側表示に変更。そして魔法カード、地割れを発動してそのモンスターを破壊する」

「お・・・俺の眠れる獅子が・・・!」

「森田、カードプールに乏しい今は経済力こそが勝利に繋がるのだよ。勝負を受ける時期を見誤ったな」

「くっ・・・・くっそおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

決勝トーナメントの有力進出者であった森田宗兵は予選で1番目に敗退した。


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