究極のマジックコンボ
「強化したメカ・ハンターで、ラ・ジーンを攻撃!」
大塚 ライフポイント 6150。
ラ・ジーンが破壊されたのは大塚にとって計算外。
まさか、メカ・ハンターを所持しているとは。
しかも、ヂェミナイ・エルフ読みでメカ・ハンターを強化してやがる。
だが、たかが攻撃力2150。つけ入る隙はまだある。
「ラ・ジーンを倒したくらいで、いい気になるなよ。ラ・ジーンなんかより強いカードはまだまだあるんだからな」
それに難なく返す村野。
「では、その強いカードとやらを是非拝んでみたいですなぁ。手札にもう来てらっしゃるのでしょう?」
勢いで言った大塚だが後悔した。
ヂェミナイ・エルフは確かに強化されるメカ・ハンターが出るまでは確かに強いカードだった。
しかし状況が変わった。
今はもはやヂェミナイ・エルフも死に札同然。
使えない・・・・!
だが、まだ手はあるんだ・・・!
「でかい口叩けるのも今のうちだぞ、村野。貴様に恐ろしいマジックコンボを見せてやる」
大塚の恐るべきマジックコンボ・・・・!?
それを聞いた村野はハッタリかと思ったが、今の奴の表情からして嘘には思えない。
罠カードの昇天の角笛を伏せておくが、対応できるか・・・?
「なにか伏せたようだが、それで防げるかなぁ。俺のターン!」
昇天の角笛は自モンスター1体を生け贄にして、
相手が召喚・反転召喚・特殊召喚したモンスター1体を破壊するのだ。
落とし穴と違って生け贄がいるが、攻撃力1000以下にも対応でき、特殊召喚にも対応している。
大型の融合モンスターでさえも破壊できるのだ。
あのブルーアイズ・アルティメット・ドラゴンさえも。
これならメカ・ハンターを失う代わりに確実に相手モンスターを消しされる・・・!
さぁ、来るならこい・・・!
「魔法カード、心変わりを発動!!!!敵モンスター1体のコントロールを得る!」
コントロールとは、そのカードの使用権みたいなものである。
自分のカードは自分のコントール下にあるが、相手のカードを自分のコントロール下に置けるカードがあるのである。
それが、この心変わり。
つまり、村野のメカ・ハンターは大塚に奪われてしまうのだ!!!
しまった、と心の中で村野は思った。
メカ・ハンターを奪われてしまっては、昇天の角笛の発動条件が満たせず発動ができなくなる。
しかし、心変わりによるコントロールの移動は1ターンのみ。
このターンが終わればメカ・ハンターは村野の場に戻ってくる。
「お前がなんて考えてるか分かるぜ村野。心変わりの効力はこのターンのみ。次でメカ・ハンターは帰ってくるってなぁ」
「うぐっ・・・」
「違うんだな、それが」
大塚は村野のメカ・ハンターを生け贄にした。
まさか・・・どうせ相手に戻るなら生け贄にしてしまうというのか・・・!
「メカ・ハンターを生け贄にデーモンの召喚を召喚!!!!」
デーモンの召喚。レベル6の1体の生け贄で攻撃力2500を持つモンスター・・・!
「これぞ究極のコンボさぁ!心変わりで奪った敵モンスターをそのまま生け贄にする!!!」
「邪魔な敵モンスターを除去しつつ、高レベルモンスターを召喚!ん~~、なんと気持ちの良い!!!」
一気に追い込まれた村野だった。