リバース効果モンスター
「さぁ高杉、お前のターンだ」
「分かっている。裏守備でモンスターを伏せて、アックス・レイダーでホーリードールを攻撃!」
アックス・レイダーの攻撃力以下の守備力のホーリードールは破壊された。
「高杉はホーリードールの破壊を優先したか」
と加藤。
「白い泥棒は効果が厄介なだけでステータスは大した事のないモンスターだ。強化されても危険性は少ないからな」
これは村野。
高杉の友人2人は観客に徹していた。
村野と加藤のレベルも決して低くはないが、木村と高杉はさらにその上をいっているのだった。
木村と高杉の意図は村野と加藤にもはっきりとわからなかった。
「ドロー」
木村のターン。
高杉は裏守備で出した、とすると白い泥棒の守備力1000すらも越えられない攻撃力のモンスターか?
単純に守備が堅い壁モンスターか、恐らくはリバース効果モンスターであろう。
と木村は予想した。リバース効果モンスターとは、裏状態から表になる事で効果を発動できる特殊効果モンスターである。
裏から表にするという行程を踏まえるため効果の発揮は遅いが、その分強力な効果である事が多い。
さあて、木村が取るべき道は。
仮にあの裏守備がリバースモンスターで、高杉のターンでそれを発動させるとより厄介だ。
高杉は自分のペースでリバース効果を使えるから。木村のターンで発動しておけば、被害を被ったとしてもある程度立て直しがそのターン内に可能だ。
そう思った木村はとるべき行動を思いついた。
「魔法カード、光の護封剣発動。このカードは3ターンの間、相手の攻撃を封じると共に敵の裏モンスターを表にする」
このカードであれば、木村はわざわざ自分のモンスターで攻撃する必要がなく
返しのターンで高杉のアックス・レイダーの標的にされて、戦闘ダメージを被る危険もない。
高杉のモンスターが表になった。それはハープの精。攻撃力が低い代わりに守備力が2000もある典型的な壁モンスターだ。
「ただの壁モンスターか。しかし、ここで正体を顕にしたおかげで、うっかり攻撃したときの反射ダメージを回避できたな」
光の護封剣によって壁モンスターの地雷的役割は失われてしまった。