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電車と掃除機。

作者: 二階藤

その日は、普通の一日…はずだった。

いつもの通勤、いつもの電車…そして、いつものようにひざの上に鞄を置き、揺れに合わせてまどろむ。

なにか、特別なことが起こるはずもなかったのに、それは、起こった。


駅に止まり、人が降り、人が乗ってくる。

何の変哲もない光景。

ただ一点。

乗ってくる人が、誰ひとりの漏れもなく、掃除機を手に持っていた。


最初は、目を疑った。

掃除機が不必要なモノで無いことくらいわかる…とはいえ、それは日常生活においての話だ。

自分の持つ常識の中では、明らかに的外れな出来事、事象だったのだが…どうやらおかしいのは、こっちらしい。


数駅前、少なくとも自分が眠りに誘われて意識を失う前までは、

隣の乗客は、そんなモノを持っていなかったはずだ。

新聞紙を拡げて読んでいた。

別の乗客は、立ってドアに寄り掛かりながら携帯ゲーム機を堪能していた。

それが、今はどうだ…?

自分が異端者だと言わんばかりの状況ではなかろうか…?

周りがどう見ているかわからない…意識したくない…。


そんな事を考えていたら嫌な汗が額に滲んできた…。


…しかし、そんな状況も長く続くことなく、目的の駅に電車は到着した。

助かった!…ただそう思いながら、手に鞄をとり、転がるように電車から降りた。


…降りることが出来た瞬間に一つの事に気づく。

…いつも持っている鞄と重さが違う…形ガチガウ…ジブンハナニヲモッテイル…?


周りの目は、奇異に満ちていた…。

実際に、掃除機を抱えながら、電車に乗ってきた人がいた時に思い付いた作品です。まさかの抜き身掃除機だったので、ある意味衝撃的でしたね〜。機会があったらまた見たいものです。

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