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ゴーレム使い  作者: 灰色 人生
第2章〜王都へ〜
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82話〜演説〜

 


 ◆◆◆◆◆



 東西に分かれて整列する軍団の最前列にクヴァルムは並ぶ。



 そうして暫く周りの者と談笑していると鐘の音が鳴ったので何事かと思うと1人の文官が前に進み出て「これよりオルトメルガ王国の偉大なる支配者であらせられるガイセル=キエフ・ラトランド・フォン・オルトメルガ国王陛下がお越しになられる皆今の内に服装を整え平伏して待て!」と大声で言う。


  その言葉で平民達が己の服装を正しまるで土下座する様に平伏して行く。



 隣のカロラーナが小声で「後ろの部下達は跪礼し私たち指揮官は右腕を左胸に当てて頭を下げれば良いから」と教えてもらう。






 ◆◆◆◆◆


 十数分後多くの騎士達に護衛された一台の豪華な馬車がやって来る。


 騎士達の装備を見るに近衛騎士達だと予想がつきその者達が守るのは王族つまりあの場所に国王が乗っていると言う事だ。



 馬車が到着するとその前に近衛騎士達が整列して捧げ剣の姿勢のまま不動の姿勢を保つ。


 執事の様な人物が馬車の扉の前に台を置き降りやすくしてから扉に手を掛け開ける。



 中から出て来たのは煌びやかでいて豪奢な服装に身を包んだ40代程中年の男性だ。


 彼こそがオルトメルガ王国第38代目国王であるガイセル=キエフ・ラトランド・フォン・オルトメルガである。


 謁見の間で見た時よりも遥かに威厳を感じるのは周りの騎士達や貴族の数が謁見の時よりも多いせいだろうか?


 そして同じ馬車からは可愛らしい服装に身を包んだ幼い少女。オルトメルガ王国第三王女殿下であるシャルロット・ロゼ・ブルトール・フォン・オルトメルガである。


 そして彼女の傍らにシャルロットの守護騎士であるメリア・フォン・トリニコスがいる。


 だとすると国王であるガイセルの横に立つ立派な騎士が彼の守護騎士であるのだろうか?


 そう考えていると中からまた一人出てきた。


 出てきたのは青年でガイセルに瓜二つである事から3人の王子の内の誰かだろう。



 馬車からは他の王族は出てこなかった事から確執を感じるのは俺だけだろうか?



 後でカーティルにでも他の王族がどうしているかとあの王子は何番目なのかも聞いておこう。と心のメモ帳に記入する。



 王族達をじっと見つめていると隣のカロラーナに脇腹を小突かれて視線を向けると例の礼をしろと目線で言われたのでそれに倣う。



 暫くそのままでいると用意された豪華な椅子にガイセルとシャルロットに王子が座りガイセルが「面を上げよ」と言われて初めて指揮官達だけが頭を上げることを許される。


 平民と部下達はそのままの姿勢を維持したままだ。



「昨今我がオルトメルガ王国の隣国であるラーバント帝国がその版図を広げんといくつもの小国を滅ぼして遂には此処オルトメルガ王国にまでその強欲な手を伸ばしてきた。

 しかしながら強国であるオルトメルガ王国はその悉くを見事跳ね除け逆に帝国に痛手を与えてきた。

 この演習は帝国に我が国の精強な諸君らの勇姿をアピールすると共に非道な帝国には決して屈しないという証明にもなろう!

 諸君ら一人一人の肩に我が国の威信がかかっていると思い日頃の鍛錬にも精を出して欲しく思う。───」



 と長々と演説が続き、漸く国王ガイセルの演説が終わったと思ったらガイセル程では無いが一人一人が長い演説が王子から始まり最後はこの国の軍の頂点に位置する軍務郷が締め括る。



「諸君!日頃の鍛錬の成果を今日発揮せよ!以上だ」と簡潔に述べて終わった。



 朝から始まったのに今はもう昼頃だ。



 この後文官からの説明で昼休憩をした後に再び集合してから対軍演習を実地するとの事だ。




 どの店に行こうか思案しているとロナテロが話しかけて来た。


「この後作戦会議も兼ねて昼食会を開くので参加してくれるかい?」と言われたので頷き参加する事にした。



 これは自主的な為に辞退してもいいらしいが普通は辞退しないがカロラーナは嫌そうだ。



「はあ、昼食ぐらい楽しく食べたいのに……」と愚痴を延々と言いいながらロナテロと部下達に引っ張られてドナドナされて行く。



 それに苦笑しながらクヴァルムはアールとリーゼに適当に時間を潰すように言いついていか。


 護衛は陰ながらカーティル達が行う。




 昼食会に参加した指揮官級の者達は主要な者達以外にも参加し総勢42名の大人数で行われた。


 他にも指揮官級の者達は居たが彼らはこの主要なメンバーから指示を受ける形になる下級指揮官に値する為に呼ばれず後ほど此処に説明を行うようだ。



 全員を集めてやった方が早いのでは?と思ったがそれだと一人一人に割く時間の都合上時間が足りなくなるかららしい。


 現にこの人数でも時間はギリギリの様だ。


 クヴァルム率いる黒鴉傭兵団は急な参加の為に今回は遊撃部隊である。その為に細かい指示などはその都度出すので今回は全体の流れだけを覚えれば言いと言われた。



 確かにあの短い時間で何通りもある合図を覚えて実際に連携するのは困難だと言えるだろう。



 後は細部を詰めて行き疑問点は今のうちに全部言う様に東軍の総括であるガリバルス将軍が言い疑問点がある者は挙手して疑問点を言いそれをガリバルス将軍とロナテロが答えて行く。




 そうした話し合いをたっぷり2時間もの間話をしていよいよこれから本番だ。


 気合いを入れて一歩踏み出して行く。





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