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ゴーレム使い  作者: 灰色 人生
第2章〜王都へ〜
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73話〜褒美〜

 


 朝食は部屋にメイドが届けてくれたので部屋でアールとリーゼの三人で食べた。



 食べ終わり寛いでいると部屋に騎士が来訪して来た。


 用件は要約すると現在王都はとある理由から厳戒体制を敷いているので黒鴉傭兵団もこの区画から出れないという事を伝えられた。

 それだけ伝えると騎士は去って行った。



 騎士が部屋から去って暫くするとカーティル達が材料を僅か3時間程で集めて戻って来たのだ。



「流石だな」


「はっ、ありがとうございます」


 カーティルを労ったあと材料を受け取り早速シャドーアサシンを50体追加で召喚した。


 カーティルは同じ隠密型魔導人形(ハイド・ドールズ)達八体とシャドーアサシン71体を率いる隠密部隊長に任命した。


「はっ!有難き幸せ。全身全霊を持って職務に励みたいと思います」


「では、王都での情報収集を命じる。どんな些細な事も委細漏らさず集めよ!」


「はっ!畏まりましてございます!」


「では、行け」


「承知!」


 カーティルとハイド・ドールズ、シャドーアサシン達は影に溶け込む様にして目の前から消えた。



 後は彼らに任せてこっちは優雅に部屋で過ごすか……







 ◇



 部屋で紅茶を飲みながら書物を読んでいるとハイド・ドールズの一体が戻って来て情報を伝える。



 それらの情報からこの王都には大きく4つの組織がありそれらが王都を区分して支配している様だ。



 これらのうちの何れかと接触して協力関係を築くか…それとも支配するか…


 支配するには人員が少な過ぎるので協力関係を築き情報を得る事にした。


 その為には此処(王都)に確固たる基盤を作る必要があるな。



 それと並行して勇者の情報も集めるか……


 もしかしたら元の世界に帰る手掛かりか何故此処へと来たのか、の理由が判明するかもしれないからな。



 それに合わせて王都近くにある難易度の低いダンジョンも挑戦してみるか。



 それから3日ほど厳戒体制を維持して来たが侵入者について何の手掛かりも掴めなかった上層部はこれ以上の厳戒体制の維持は他国に横槍を突かれる可能性がある為に解除した。



 民衆には特別訓練だと情報を流した。


 幸い今回に似た訓練を数年に一度抜き打ちでする事があった為に自国は勿論他国も何の疑問も持たずに受け入れた。



 だがこれまでと違い王城の警備体制は急遽見直され何時もより三割増しの警備体制に移行している。




 そして数日後再び謁見の間に呼ばれた。


 今回は予め正装用にと渡された紺色のフロックコートを着ていく。


 リーゼはブラックフォーマルを着ていく。


 今回連れていくのはリーゼとアールの2人だけだ。


 前回は団長のクヴァルムだけだったが2人も参加して良いとの事で2人を連れていく事にした。



 正装に着替えて待つ事、数十分執事が迎えに来て用意が出来たとの事で謁見の間に向かう。



 そして絨毯の色が変わる境目の手前で止まり傅く。




 ◆



 区画の中には図書館があったのでそこでこの国や他国の歴史それに礼儀作法の本もあったので読んでおいたのだ。



 その中に気になる本もあった。


 それが勇者召喚についてだ


 勇者召喚には二通りあるらしく


 一つは長い年月をかけて勇者召喚に必要な魔力を貯めてその魔力を利用して召喚する方法。


 これにはリスクはあまり無いがその為に時間がだいぶかかる。


 もう一つは生命力を併用する方法だ。


 詰まる所生贄を必要とする。それも膨大な数をだ。


 魔力の不足分を人間の持つ生命力で代用して召喚をする方法でありメリットは長い年月を必要とせずに生贄さえすればすぐにでも召喚出来るという事。


 デメリットは召喚に必要な生命力が術者の力量によって上下する為に召喚の儀式が失敗に終わる可能性がある事、さらに大量の生贄を必要とする為にその地のアンデット発生頻度量共に数年間もの間増加傾向になる事だ。



 そして前者がラガシール皇国の選んだ方法だ。彼らは住民の多くがエルフなので他の国よりも高位魔力持ちが多い為に他の国よりも数年貯める時間が短い。

 それにエルフ種は長命な為に待つのがそんなに苦でも無いというのも関係があるかもしれない。


 後者がルパメント聖王国だ。彼らは亜人種を大量に捕獲して彼らを生贄に使用した。

 これにより国力は衰えない、教典には聖なる行いと載っている為に国総出で更には各国の信者を使い僅か一年で生贄に必要と言われている人数を集め儀式を実行した。



 だがこれより詳しい事は書かれておらずどうしたものか…と思いパラパラ捲ると最後のページに著者・学術都市アルサーム教授・ルペル・キスタニア・フォン・グラメル と書いていた。


 なので取り敢えずの目的としてはまず王都に情報網を張り近くのダンジョンでレベル上げそして一定の基準まで二つがなったら次に学術都市アルサームに行こうと決めた。





 ♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎


 絨毯は玉座から続く方は赤色でそれ以外は青色である。


 この赤い絨毯を王、王族、宰相、近衛騎士以外が許可なく少しでも、例え誤ってだとしても物理的に首が飛ぶ事になる。


 その為に血が目立たない様にと赤色にされたとかなんとか…と絨毯の色については様々な憶測があったが真相を知るのは王のみだ。



 なので間違って踏まない様に赤色の絨毯の一メートルぐらい手前で止まり傅いた。



 今回は王様は予め玉座に腰掛けている。



 今回は褒美だけの為か前回よりも重臣の数が少ない。


 それに軍部関係は殆どがいない。


 侵入者の件で未だに方々駆けずり回っているとの情報だったな。



 少し申し訳なく思いつつもまあ、第三王女殿下シャルロット様を助けたしこのくらいいいよね?と思っている。



 宰相マーク・ロトカルフ・フォン・ヘトバンク(ヘトバンク侯爵家当主)が口を開いた。


「この者達、黒鴉傭兵団は此度第三王女殿下をお救いした功によりまずは金貨800枚与え給う。それに加えてこのオルトメルガ王国内への入国税並びに入街税の一切を免除する事とする」


 今まで入街税なんて払った記憶は無いがそれは理由がある。


 まずはウラカは辺境に位置するのとその危険度からいちいち入街税を取るとウラカに来る人の数が減るとのことから免除されている。


 それに王都まで来る途中の街は全て辺境伯持ちなので一銭も払っていないのだ。


 更に王都だけあり王都も入街税は無い。


 まあ、それ以外特に家などは他のところより数倍高いがまあ、買う予定は今のところ無いからいいが。


 そして入国税はほぼ全ての国に存在する。


 その為にそれが免除されるのは地味に助かる。


 いちいち入るのに税を払っていたらやってられないからな。



 まあギルド員は依頼でよく街の外に出る為に一つの街で一月に一回しか入街税はかからないらしい。


 勿論依頼の時以外で入る時は払わなければいけないが。


 あとは身分証が無ければ追加で払い身分証を獲得したのちに見せれば返して貰えるが正しい3日以内だが。



「更に貴殿、黒鴉傭兵団団長クヴァルム・ドゥーエには第三王女殿下シャルロット姫より名誉騎士爵がこの後授与される」


 この褒美には流石に重臣達はざわめいた。



 このオルトメルガ王国の位は以下の通りだ。



 王

 ↓

 王族・大公爵(現在この地位には王の弟が1人ついている)

 ↓

 公爵

 ↓

 侯爵・辺境伯

 ↓

 伯爵

 ↓

 子爵

 ↓

 男爵

 ↓

 準男爵

 ↓

 騎士爵

 ↓

 士爵


 なので下から二番目の地位と名誉(一代限りの物)だがまさか何処の誰とも素性の知れぬ人物に授与するとは と、思いもよらぬ事らしくザワザワし始めた。



 クヴァルムは内心この授与を断りたい思いで一杯だ。


 何故なら名誉騎士とは言え成れば様々な恩恵と共に義務が生じるからだ。


 なので出来れば断りたいと強く思いここでスキルの幸運が発動してくれればな…と思っていると王がゆっくりと口を開いた。


「静まれ」


 決して大きくは無いこの声は不思議と皆の耳に届いた。


 重臣達はハッとしてすぐさま己の過ちに気づき王に謝罪の言葉を述べる。




 ある程度謝罪が終わると王は再び口を開く。


「確かにそち達の疑念はもっともだ。いきなり何処の誰とも分からぬ者が騎士に叙されると少なからず反感を覚える者もいよう。そうだな?…将軍」


 話を振られた将軍は慌てながらもすかさず返答する。


「は、はっその通りかと存じます陛下」


「うむ、ならば叙爵するのは時期尚早であろう」


 その会話に割り込む声が上がった。


 普通ならこんな無礼は許される筈が無いがそれが許される数少ない1人が割り込んだ。


「御父様待ってください。では、この者達の実力を演習で見せてもらいその結果を持って決断して欲しいです」


 そう声を上げたのは第三王女シャルロット殿下だ。



「うむ、シャルよ。そこまでお主が拘るのか?」


「はい、御父様。彼らはそこらの騎士団よりも騎士団らしく見事に統率が行き届いておりました」



 叙爵を回避出来るかと思えばまさかのシャルロット殿下よりの上奏により再び考え出すガイセル王。



「よし、ならば2週間後に行われる予定の対軍演習に参加させよう」


「陛下その様な大規模な演習に参加させるのですか?」


 対軍演習は最低でも五千対五千の演習でこの国最大の軍事演習である。


「うむ、その方がおもろしかろうて。ワァハッハッハッ」


 そう言って愉快そうに笑う王。


 ガイセル王は昔から悪戯好きで時々突拍子のない事を突然仕出す悪癖がある。


 これに散々振り回られた宰相は何時も苦言を申すが無視され結局は責任を押し付けられる為に常時胃薬を持ち歩いている。



「はぁ」と盛大なため息を吐いてから念の為に質問する。


「それでどの様な扱いで参加させるのですか?それとも先程の言葉は冗談ですかな?」


 冗談では無いだろうと半ば思いながらも冗談なら良いなと僅かな期待を込めて質問する。



「冗談?ふん、そんな訳なかろう?」


 その言葉に再びヘトバンク宰相は大きく溜息をつきながら王に「畏まりました。その様に手配致します」と告げて近くの文官に目配せするとその者は一礼して謁見の間から立ち去る。



「其の方もそれで良いな?」


 問いかけられたクヴァルムは断れる筈もなく。


「はっ。畏まりました」と答えた。


「うむ、では報奨金の金貨800枚とこのオルトメルガ王国内の入国税と入街税の免除を証明する証書を受け取れ」


 文官が傅くクヴァルムに近づき金貨が入った革袋と証書が渡された。


 それを恭しく受け取りアールに金貨をリーゼに証書を渡した。


 それを2人は大事に抱える。



「うむ、ではこれにて解散とする。ではまた2週間後にな、使いの者を送る故に。後の細かい段取りなどは宰相のヘトバンク侯爵に聞くがよい」


 そう上機嫌に言って王は徐に立ち上がりズカズカと奥の扉へと歩いて行った。


 その様子にシャルロット殿下は苦笑しながら見送り他の面々も頭を下げる。



 その後クヴァルムも謁見の間を出た所で使用人に呼び止められ宰相の執務室に案内される。




投稿ペースが落ちてきて申し訳ないです。


出来る限り早く投稿出来る様に頑張ります。


読んで下さり有難うございます。


誤字脱字あれば指摘をお願いします。

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