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ゴーレム使い  作者: 灰色 人生
第2章〜王都へ〜
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幕間〜王都出張組その②〜

 


 -翌朝-


 昨日は魔物の襲撃も無くぐっすりと眠れた。


 起きるとグンナイさんと幾人かの職員が朝食の準備をしていた。


 冒険者の何人かは近くの林から枝を拾って来てそれを焚き火に焚べて火力の調節をしている。



 この匂いから察するに今日の朝食はレッドディアの煮込みスープだろう。



 その後朝食を終えて後片付けをした後王都出張組は馬車に乗り込みゲイトに向けて出発する。




 何事もなく街道を進みその後野営を二回した後ウラカ最寄りの街ゲイトに到着した。



 まず一行が向かったのがオルトメルガ王国ゲイト冒険者ギルド支部だ。



 そこでギルド馬車を借りる予定だ。



 だが当てが外れた。


 現在ゲイト支部のギルド馬車もウラカの支援の為に何台か貸し出しており残りの馬車は何かあった時に使用する為に王都までの長い期間は借りられなかった。



 それならば仕方ないと時間はかかるが駅馬車にのり次の街に行くしかないだろう。


 駅馬車はだいたい同じ時間同じ場所を往復する馬車である。



「カーシャ先輩まだまだ先は長そうですねぇ」


「リリアこのくらいでへこたれてたらこの先もっと長い距離を移動する事もあるかもしれないのよ?」


「わかりました〜」


「語尾は伸ばさない」


「はい!」


「よろしい」


 パンパン手を叩きグンナイが皆の注目を集める。


「今日はこの街の宿に泊まり明日の朝一の駅馬車に乗って次の街へと向かいましょう。今日はゆっくりと疲労を癒して明日の移動に備えて下さい。では、ここで解散します。宿の場所は伝えた通りです。間違わない様にして下さい、それとお酒を飲むのはいいですが明日に響かない程度でお願いします。では解散」



 まだ太陽の位置から推測するに昼を少し過ぎたくらいだろう。



 街の外へ出た事が無いギルド職員達は数日とはいえ外で過ごしたので外壁に守られた街の中という事で表情は喜びに満ちている。



 そんな彼ら彼女らは意気揚々と街へと繰り出して行く。


 リリアもカーシャに引っ張られる様にして街へと歩き出す。


「ほら、リリア私達も行くわよ!私は一度この街に来た事があってね。ここの一押しのお店に案内してあげる」


 カーシャは楽しそうにリリアの腕を掴み歩き出す。


「せ、先輩〜引っ張らなくても自分の足で歩けますよ〜」




 ●



 カーシャに連れてこられた店はオープンテラスのある喫茶店の様だ。


 オープンテラスの方に腰掛けると店員がメニューを持って現れる。



「いらっしゃいませ。こちら本日のメニューでございます。ご注文が決まりましたら及び下さいませ」


 とても丁寧な接客をする店だ。


 ユウマが居た世界では当たり前の対応だがこの世界ではあまりみない光景だ。


 その為にリリアはもしかしてこの店は高級店なのでは…と思い財布の中の硬貨の数を数え出す。


 それを見たカーシャは苦笑しながら

「大丈夫よリリア。ここはそんなに高級店じゃないから、料金も良心的よ。それに今回は初めてこの街に来たリリアに私が奢るわよ」


 "奢る,,の発言に猫の形の耳がピクリと反応して笑顔で「ありがとうございます。カーシャ先輩」と告げて来た。


 カーシャは現金な奴と思ったがまあ、リリアらしいわね。と思い顔には出さなかった。



「そう言えば先輩。何故さっきの店員さんは‘‘本日,,のメニューって言ったんですか?」


 不思議そうな顔をして問いかけるリリアにカーシャは「ああ」と呟いてから説明を始める。


「それはねリリア、このお店のメニューは日替わりで季節毎にだったりその日の天気や仕入れ状況に応じてケーキやパンなどを作るからよ。だから毎日通っても飽きが来ないのよ」


「へぇ〜そうなんですか。今日は何があるのかな?」と言いながらメニューを開いて中を見る。



 それから2人は店員を呼びカーシャは珈琲とシフォンケーキをリリアはホットココアとチーズケーキをそれぞれ頼んだ。



 その後運ばれて来たケーキに舌鼓をうってから次はアクセサリー店に向かった。


 因みに2人合わせて料金は銀貨3枚と銅貨40枚と普通の店より少しだけ高い程度だった。


 ギルド職員の一月の平均収入が銀貨60枚からしたらそれ程高くは無い。(役職により変化する。これはあくまで新人のギルド職員の平均収入だ)


 他の職業の人だと少し痛いくらいだ。


 だがまあギルド職員なら週ニで他の一般的な職業なら週一で通えるぐらいだろう。


 その後気に入った幾つかのアクセサリーを購入して他の店を冷やかしながら宿屋に向かった。



 宿屋に帰る頃には陽も傾き民家からは夕食の良い匂いが漂って来ている。



「あぁ良い匂い」


 リリアは鼻をひくつかせて匂いを嗅いでいる。


「リリアやめなさい。はしたないわよ」


「わかりました」

 リリアは鼻をひくつかせるのをやめた。


 2人が宿屋に入ると殆どの者が戻って来て居た。



 暫く待つと他の面々も戻って来たので皆で食堂に行き夕食を取った。




 ♢



 翌朝は朝一の駅馬車に乗り次の街へと向かう。



 次の街までは1日かかる。





 特筆すべき事も無く次の街に着きギルドで今回は馬車を借りられて予定よりも大幅に遅れたが急ぐ旅でも無いので予定してたコースで王都へと向かう。



 そうして漸く王都へと着いたと思ったら何と王都が今現在封鎖されているとの事で一行は王都の城壁外に仮設で建てられた建物が幾つかあり衛兵に身分証明すると何れかの建物に振り分けられた。



 長くても四日はそこで過ごして欲しいと言われた。


 何故こんなに厳戒体制なのかと聞くとこちらがギルド職員だからか小声で教えてくれた。


「何でも王城に侵入者があった様だ。それ以上の事は俺も知らん」との事だ。




「早く入れると良いですね。カーシャ先輩」


「そうね。シャワーを浴びたいわ」




「では、皆さん指示があるまで此処で待機です!」


 グンナイの声に頷き。


 それぞれ割り当てられた小屋へと入ると。



 王都に入場出来たのはそれから2日後だった。





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