7話
チュンチュン
小鳥のさえずりが聴こえる。
どうやら一夜明けたようだ。
固い地面の上で寝たためか、筋肉が強張っている。
起きたらまずは、洞窟から出て近くの川へ行き顔を洗った。
生活魔法で水は出せるが、温度は常温しか出せなかったので目を覚ます為には川の冷たい水がいいだろうと思い、川へ向かったのだ。
「ぷはぁ〜。うん!スッキリするなぁ。身体の節々が痛いな。やっぱり地面に直に寝るもんじゃないな」
そう言い、強張った身体をほぐすために、ラジオ体操を始めた。
「イッチ、ニー、サンシー」
掛け声とともに、身体を動かした。暫くすると身体の奥から温かくなり、十分に身体が温まった所で、汗をかいてることに気づき、そういえば昨日から体を洗ってないことに気づいた。なのでついでに水浴びして、スッキリするか。と思い服を脱ぎ裸になり体を清めた。
汗を洗い流したあと、川から上がり近くの草木を集め火をつけ体を乾かした。
体が乾いたら、ついでに服も洗い火の近くの木の枝に服をかけて、乾かした後、服を着てまずは腹ごしらえのためにショートソードをしっかりと佩刀して、獲物を求めて歩きだした。
しばらく進むと、近くの木に実がなっていたので、鑑定をかけ食べれるかを、確認して集めながら-ワイルドボア-という猪に似た魔物を見つけた。素早く近くの茂みに身を隠し、風下の位置に出来るだけ音をたてないように、気配を消しながら移動し、ちょうどワイルドボアが顔を反対方向に向いたので、その隙に素早く駆け出し。首周りを狙って力一杯ショートソードを振り抜いた。
見事に命中し、ワイルドボアを仕留める事に成功した。
とりあえず、ワイルドボアの後ろ脚をロープで縛ったあと、近くの木の太い枝に吊るし、血抜きに挑戦した。
「たしか、こうするんだったよな?」
昔テレビで見た方法をうろ覚えながら試した。
数十分後、十分に時間がたち、血が完全に抜けきったあと、腹を割き内臓を取り出し捨ててから、皮を剥ぎ取り終わると、アイテムボックスに収納し場所を移動した。
また、川辺に戻ると、血を洗い流し焚き火をし、ワイルドボアの肉を適当な大きさに切り分け炙る。十分に炙りまずは一口食べる
「肉厚で噛み応え充分でうまいな!ホーンラビットの方が柔らかくて噛みやすいが、これはこれでありだな」
ペロッとワイルドボアの肉を平らげ、デザートに木の実を食べた。
名前はルプの実と表示され、味は林檎に似ていてシャキシャキとした噛み応えで、とてもみずみずしく喉の渇きを潤す。
「ふぅ満足、満足。ご馳走さまでした。」
食休みしてから、森の終わりを目指して歩くこと2時間。遂に森の終わりが見え心なしか、歩くスピードが速くなり小走りになり気づけば走り出していた。
走ること数分。遂に森の終わりに辿り着き、嬉しさのあまり叫んでしまった。
「うおぉぉぉ!!やっと森から出れたー!!」
やはり、森の中死角が多く。常に獣や魔物に襲われるかわからなかったので、常に気を張り続けることは、多大なストレスを自身にかけていたので、その解放感もあり嬉しさのあまり叫んでしまった。
叫ぶこと1分あまり。やっとスッキリしたので落ち着いて辺りを見回すと、周りには何もなく。ただ、ただ広大な草原が佇んでいた。
その中にうっすらと線のように途切れてる部分を見つけ、気になり近づくと、それが道だとわかり、これを辿ればいつか人里に出られると胸を高鳴らせて歩きだした。
歩くこと1時間半。何か聞こえた様な気がして立ち止まる
「ーーぇぇぇ」
やはり何か聴こえた。
今度は、より一層注意して聞いてみると「誰か助けてくれえぇぇぇ」と今度はハッキリと誰かが、助けを呼ぶ悲鳴に近い声が聞こえた。
この道の先の少し丘になり先が見えない向こうから聞こえてると判断した。
勢いよく駆け出し、丘の上に着くと辺りを見渡した。
何処だ!?居た!あそこだ!!
そこでは荷馬車らしきものが、数頭の狼らしき物に襲われていた。
遂に森が終わり次からは街へと行きます