幕間○ニコライ・ガルム・フォン・ルーセント辺境伯の憂鬱○
○ニコライ・ガルム・フォン・ルーセント辺境伯の憂鬱○
今回の騒動で一番割りを食ったのは彼ルーセント辺境伯であろう。
臨時の冒険者を雇い遠征軍にねじ込んだ。
勿論ギルドマスターのジルロとも相談した上でだ。
少しでも生存率を上げる為に募集したが殆どが低級の冒険者だった。
傭兵も雇おうかと考えたが家令が「これ以上の出費は抑えるべきかと」と苦言を言われたのでそうだな、と思い直し取りやめた。
騎士団にも少なからず犠牲は出るからその者たちに回すべきだと考えた。
実際予想以上の被害が出た。
まさかエラキスがあそこまで無能だとは思わなかった。いや、もう少し調べれば良かったのだこれは吾輩のミスだと素直にルーセント辺境伯は認め遺族に謝罪した。
普通の貴族は平民(騎士には一応士族の階級が与えられるこれは半貴族と言われる階級で貴族と平民の間の様な物だ。だが殆どの貴族は平民と変わりないと思っている特に貴族派が)特に大貴族であるルーセント辺境伯がである。
逆に遺族が凝縮する程だ。
代々ルーセント辺境伯家は質実剛健で知られ彼の祖父、父も代々武人として鳴らした剛の者だ。
だからだろうか彼は素直に自分の過ちを認めることが出来るのである。
ルーセント辺境伯家は平等で知られる。その為か領民からは好印象を持たれている。
一応王家からは多額の賠償金を貰ってはいるが騎士1人を育てるのに多額の費用と時間が必要な為に今回の被害はとても許容出来る範囲を超えている。
一応有能な従者の数人を騎士に叙したりはしたがとても足りない。
その為に親類や婚姻関係のある貴族から数人の騎士を派遣して貰い領内の素質のある若者を騎士見習いである従者にして雇い鍛えて貰ってはいるが、後数年は掛かるだろう。
それにルーセント辺境伯はこの度王都で行われる裁判それも大審議会に参加しなければならない為にその為の護衛をどうするか悩んでいた。
残った騎士を多くて10名程しか連れては行けない。
それでも治安維持には最低限の人数しか残らない。
一応警備兵や衛兵はいるがそれを統括する騎士が必要になる。
それに辺境伯軍の多くを魔の森の警戒の為に当たらせないと行けない為にそちらからの人員の抽出も厳しいと言えるだろう。
全くエラキスの奴めまさに我が家にとっての疫病神だな。
忌々しいまぁ泣き言を言ってても始まらないか。
ルーセント辺境伯が居ない間の重罪犯等を裁くには貴族位の者が必要である。
しかし士族位だと10人の署名が必要だ。
それ以外にも細々とした問題の対処には騎士が当たらなければならない物が存在したりする。
その為にルーセント辺境伯は近隣の街からも数名の騎士を集め今回の王都行きへの護衛に当たらせるつもりだ。
だが流石に集めても50名程とルーセント辺境伯家の護衛としては些か少ない。
遠征前なら150名程を護衛につけて居た為に他の貴族に侮られる可能性がある。
だがここで冒険者や傭兵もどうかと考えた。
確かに数名の冒険者を雇う事はある。
彼らは魔物のスペシャリストだ配下の騎士達よりも魔物の生態に詳しいので毎回念の為に数名の冒険者を雇うだから今回も上級のパーティー数パーティーかクランを雇おうかと考えているがあまりにも大人数は、推奨されない。
傭兵は確かに戦時や野盗対策には雇ったり護衛にも雇う事はあるが、規律が悪い所が多いまあ、上級の傭兵団なら規律なども良く見栄えもいいが、今回は王都への往復だけなので護衛がメインだがそれだと採算が合わない為に躊躇する。
どうしようかと悩みながら書類を処理しているとラインバック騎士団長の報告に面白い者が載っていた。
「何々、ゴーレムを多数操れる者だと、それにゴーレムの力量は騎士と同等かそれ以上とは、ふむこれは使えるかもしれんなよし、誰か!」
ルーセント辺境伯の呼びかけに素早く執事が反応して扉を開け恭しく一礼をして入って来た。
「なんで御座いましょうか、旦那様」
「うむ、この書類に乗っている冒険者とラインバック騎士団長を此処へ呼びたまえ」
「畏まりました、すぐに手配致します。失礼します」
そう言い一礼して素早く執事はラインバック騎士団長と冒険者を呼びに下男に命じた。
「使い物になれば良いが…まあ、見てみればわかるか」
そう言いルーセント辺境伯は黙々と書類仕事に精を出した。




