55話〜終章〜
セリフ無いです。
3人はその後救援部隊と合流した。
救援部隊はまず3人の状態の確認と他の生存者の行方を聞いた。
3人は他の生存者は見かけてないと答えた。
救援部隊の指揮を担っているジルロはまずは周辺の安全確認と警戒をし、次に持ってきたアイテムバックに遺体を入れさせた。
残った者は魔物の死骸から魔石のみを取り出した。
魔石とは魔物全てが持っている紫色の水晶の様な者で個体により大きさや強度に偏りがあるが、総じてランクの高い魔物は上質の魔石を保有している。
今回は解体の時間がない事とこの数の魔物を入れるアイテムバックの数が足らない為に魔石のみの採集に重視した。
魔石は魔道具に欠かせない物である。
ジルロは少数の腕の立つ者を集めて砦内へ入って行った。
その後砦から出て中の遺体の処理を命じてレターバードに書簡を持たせ辺境伯へと送り出した。
レターバードはモンスターの一種で大きさは全長30cm程で頭が良く飛ぶ速度も速い為に連絡用の1つとして活用されている。
この様に携帯魔道通信機が使えない場所では重宝されている。
その後ジルロ達、司令部は協議した結果これ以上魔の森での滞在及び捜索、救援活動は困難を極め救援部隊にも被害が出ると予想される為に打ち切る事を決定した。
今は魔物は居ないとはいえいつ戻って来るかわからない為だ。
しかもそれを率いていると思われる魔族も確認されない為此処はただでさえ危険な為に降された決断だ。
その後は迅速に撤収作業に入り砦跡の周囲を神官が神聖魔法の浄化で清めウラカへと帰還する。
ユウマ達3人は辺境伯から派遣された文官に調書を取られた後念の為に診療所に連れていかれ診られた。
ジルロらは報告書を持ち辺境伯の居城のウラカ城へと行き報告を行う。
報告書には砦の最上階の指揮官部屋に転移する為の魔法陣と転移石を発見その後、転移場所を割り出した場所を記載した地図を渡しルーセント辺境伯は速やかに騎士を派遣し捕縛に乗り出す。
既に今回の遠征を画策した王都に居る貴族派の主要人物達を捉える事に成功した。
だが一部の者は帝国へ亡命させてしまった。
その後辺境伯の騎士達によりエラキス将軍以下側近達も捕縛され王都へ連行された。
後は王都の法廷で裁かれる事になるだろう。
そして生き残った者達へは多額の賠償金等が払われた。
勿論遺族へも払われた。
その後遠征に参加した冒険者は皆昇格し上のランクへ一部の有能だった者は二階級特進が成された。
ユウマ、デリア、ドリスの3人は二階級特進が成された。
そして後は王都の裁判が残って居るがこの出来事は一応の収束を迎えた。
辺境伯は喪われた騎士達の葬儀や補填に奔走し冒険者ギルドも死亡した者の確認や遺品の整理等やる事が多沢山だ。
王国軍もかなりな人数が戦死した為にその補充や訓練等、国庫にダメージを与えられた。
戦死、行方不明は以下の通りだ。
*出発時より人数が多いのはその後に補充要員等が来たり商人が来たりした為。
王国軍1125名
騎士214名
冒険者309名
非戦闘員268名
合計1,916名
この出来事を『第一次魔の森遠征』と言われた。
これで第一章完結です。
次は第二章です!