表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴーレム使い  作者: 灰色 人生
魔の森編
60/250

53話〜魔導機兵〜

 

 遺跡の中は思ったよりも広くそして今まで見た事もない様な作りであった。



 デリアが1つの可能性の話をした。


「ねぇ、もしかしてだけど此処は古代魔法文明時代の物じゃないかしら?」


「古代魔法文明?それって何ですか?」


「あら?知らないのかしら?」


「ドリスは知っている?」


「詳しくは知らないですけれど大筋は」


「じゃあ、説明するわねこれはエルフに伝わっている話だから、多少ドリスが知っている話も違うかもしれないわね」


「古代魔法文明それは今から数千年も前の時代の話、今よりもとても進んだ魔法文明があり人々は栄華の極みを過ごして居たと言われているそんな時代よ。


 その当時は国は3つの大国と幾つかの小国に分かれていて、その三国と人族の国以外つまり人族以外の種族とは戦争をしていたと言われているわ。


 そして他の種族は集落単位の為に、瞬く間に滅ぼされていったが、彼らは同盟を結び連携してこれに当たったそうよ。


 数は人族の方が多い為に彼等はゲリラ戦法を選択したのよ。

 人族はこれに苦しめられたわ。何せいつ攻めて来るかわからない恐怖の中、彼等の集落は森や山の中にある為そこに入らなければならず、さらには人族よりも身体能力や感覚器官が優れた種族もいる為進軍は遅々として進まなかったのよ。流石に四六時中辺りを警戒するのには無理があるからね。

 しかしある時、西の果てに邪悪な神が降り立ち配下の魔の軍勢を解き放った。

 その軍勢は強く幾つかの小国が滅ぼされたのよ。とても大国とはいえ一国では太刀打ち出来なかった為に、他の二国と残った小国へ救援要請を出した。

 他の国はすぐ様に援軍を差し向けた。

 辛くも三国と小国の同盟軍は勝利した。

 邪悪な神は手持ちの戦力補充の為に瘴気をばら撒き瘴気に当てられた動植物達を魔物に変え戦力とした。

 今度は前の失敗をしない様に己の眷族である魔族を将に据え進軍を再開させた。

 国々は再び軍を出し迎撃に向かったが魔族は一人一人がとてつもなく強大な力を持ち更には配下の魔物も強く惨敗した。


 魔の軍勢は瞬く間に各地を支配して行った。

 これに危機感を覚えた三国は長年争っていた各種族へ今の事を謝罪し救援要請を求めた。

 この三国の動きに他の小国も各種族へと謝罪と救援要請を求めたわ。


 各種族も魔の軍勢には驚異を感じていた為に救援要請に応じ戦士達を派遣した。

 戦いは熾烈を極めた、始めのうちは種族同士の歪み合いなどがあったがそれを気にする余裕は既に無くなり、お互いが協力しなければとても太刀打ち出来ないと悟り次第に溝は埋まり助け合った。


 その事を見ていた天上の神々も地上への不干渉はやめ自分たちの不始末でもある邪悪な神を討伐する為に軍を派遣した。

 天上の神々と地上の軍は協力し邪悪な神、邪神へと戦いを挑んだ。

 邪神は神々の中でも最上位の力を持ち簡単には討伐は出来ず封印する事に留めるしか無かった。

 こうして邪神は封印され厳重に保管された。

 だが各地には今も邪神が生み出した魔物とその眷族の魔族が残った。


 大国の三国も被害が大きく次第に分裂して行った。

 そして被害が大きかった西の国々は各種族と協力し国を再建して行った。

 被害がそれ程でも無かった大陸中央の国々は各種族を奴隷とし酷使した。


 これに反発した各種族と再び中央の国々は戦争を起こし中央の国々が勝ち他の人族以外の種族を亜人と蔑み排斥して行った。

 北には亜人のみに国が出き南は中央を保ち被害が比較的少ない東の国々は独自の文化を築き閉鎖的になった。っと長々と説明したけど大筋はこんなところかしら?」


「ありがとうございます」


 やはり説明分に書いていた通りの歴史だ此処はやはりゲームの中なのか?


 考えても答えが出ずこの問題は取り敢えず横に置いといて今はこの遺跡に集中しよう。


「では、先へと進みましょうか?」


「そうね、行きましょう」


「わかりました」


 暫く道なりに進んでいると大きな扉が見えて来た。


 その横には大きさが2メートルぐらいの二体の鎧甲冑が鎮座していた。


 ある程度近づくと二体の鎧甲冑が動き出した。


 それに合わせてゴーレムが戦闘態勢に入った。


「ココカラ先へハ許可ガ無イト進メマセン」


 何と機会的な声で喋りかけて来た。


 これは何だろうか?見た所ゴーレムか?


 その答えをデリアが言った。


「多分だけどこれ魔導機兵(マギア・ゴーレム)じゃない?」


「そ、そうだと思います」


「デリアさん魔導機兵って何ですか?ゴーレムとは違うのですか?」


「魔導機兵はゴーレムの元となった物の事よ今から数十年前に発掘されてそれを元に今のゴーレムが出来たのよ」


「まあ、その発掘された魔導機兵は損傷が激しくて復元するのもとても大変で、所々オーバーテクノロジーでわからない事だらけだった見たいよ」


「そうです、今あるゴーレムはその魔導機兵の劣化版です」


 なるほどな、だとしたら目の前にいるこの魔導機兵(マギア・ゴーレム)がオリジナルであり完成品ってことか!


「スキャンシマス、ソノ場デ暫クオ待チ下サイ」


 そう言い目から赤いセンサーが放たれて身体をスキャンされた。


「女性ノ2名ハ入室許可証ヲオ持チデハ御座イマセンノデ入室デキマセン。ソチラノ男性ノ方ハ、ドウゾオ入リ下サイ」


 何だ?入室許可証何て持ってないぞ?


「入室許可証とは何だ?」


「入室許可証トハ職業デス。貴方ハ使役師ヲオ持チノ為ニ入室可能デス」


 まさか此処に来てこの職業が役に立つとはな


 2人に目を向けると

「行って来なさいよ。私達は此処で待ってるわ」

「そうですよ、行って下さい」


 2人からそう言われ先へと進む事にする。


 彼女達の護衛に10体のゴーレムをその場に残し扉を開け中へと進む。



 部屋の中は研究室と言う言葉がピッタリと嵌るそんな部屋だ。


 よくわからない機会や沢山の本が置かれていてここで日夜研究が行われてたのだろう。

 

 本棚から幾つかの気になる本を取り読んでみる。


 まずは『魔導機兵について』と書かれた本からだ。


 魔導機兵は表面はアダマンタイトで覆われとても頑強で内部はオリハルコンが使われている。心臓部は魔物の核を使用しその周りをミスリルが覆い補強する。

 魔力を持った生物を殺傷する毎にその魔力を吸収し補充する。


 魔物の格にもよるがこの方法により半永久的に活動が可能になる。


 更に時間の経過と共に周囲のマナを吸収し破損箇所を修復する。


 武装は全てダマスカス製で出来ている。


 などなど色々な事が書かれている。


 なるほどな現在だとこの魔導機兵を作ることはほぼ不可能だな。


 まずは材料が希少な上に費用(コスト)がかかり過ぎる。


 古代魔法文明はそんなに凄い物をこんなに沢山作ったのか。


 そう言い倉庫を見るとそこには数える気にもならない程の魔導機兵が鎮座していた。


 その後気になる物を全てアイテムボックスに入れて後で調べる事にした。


 倉庫にある魔導機兵を全て収納出来た。


 それとこの研究室の所長によるとこの研究室と似た物が後三ヶ所ある事が判明しその場所が描かれた地図も見つけた。


 部屋から出て2人と合流した。


 門番の魔導機兵や倉庫の中の魔導機兵の所持者権限を自分に移す事が出来た。

 何故かパソコンに似たのがありそれを操作してみると出来た。


 そして門番の魔導機兵もこの中で見つけたマジック・リングに収納した。


 このマジック・リングにはサポート機能が搭載されており瞬時にその状況に適したアドバイスや道具を出してくれる。

 そしてこの耳に装着したイヤーカフスとリンクしておりそこから声が聞こえる。


 その為に幾つかの魔導機兵や発見した魔導具をアイテムボックスではなくこのリングに収納した。


「どうやら満足のいく物があったようね」


 デリアの問いかけに笑顔で答える。


「ええ、とても素晴らしいアイテムが多数ありましたよ。これはプレゼントです」


 そう言いデリアに渡したのは風魔法が付与された弓矢の魔法武器だ。


 これは風の力により射程と命中精度が上がる。


 魔法の付与された武器はとても高価で中々手に入らない。


 理由としては幾つかありまずは武器に付与できる程の付与師の人数が少ない事、付与する為の武器にはミスリルかオリハルコンが使用されてないと出来ない事の二点が主に挙げられる。他にも細かい事があるがそれは専門家でないとわからないことだ。



 その理由からデリアは目を見開き弓矢を凝視した。


「えっ?本当に良いの?」


「構いませんよ、デリアさん達には助けられましたしこれはほんのお礼です」


「ありがとう、使わせて貰うわ」


 デリアはご満悦の様だ。


 羨ましそうにデリアに渡した弓矢を見ていたドリスにも杖を渡す。


「ドリスには神聖魔法が付与されたこの杖を渡すよ」


「えっ!?良いんですか!」


 神官にとって神聖魔法が付与された物は特別な意味を持ち現在助祭の階位のドリスは一気に大司教へと昇格する事になる。


 それ程、希少な品という事だ。


 まあ、物で階位が上がるのはどうかと思うがそれは教会の問題だからまあ、関係無いけどな


「ありがとうございます!大事にします!」


 とても喜んでくれた様だ。






 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 その後遺跡から出て再び救援部隊と合流すべく歩き出した。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ