46話〜ギルド〜
一方その頃ウラカのギルドでは救援部隊の派遣を組織していた。
*砦が襲撃される2日前*
♢ギルドマスター・ジルロ♦︎
「グンナイどのくらい集まった?」
問い掛けられたグンナイは手元の資料を見て
「そうですね、凡そ200名程ですね」
近隣の町からも収集しているが、何せ遠征軍に多数の冒険者が参加した為何処のギルドも人手不足に陥っており、今でも依頼が滞っている為どこも出し渋っている。
向こうの言い分としては例え緊急収集だとしても無い袖は振れない、それに今回はギルドと言うよりも貴族しいてはこの国の問題だと、主張している。
確かに今回の遠征は本来なら高ランク冒険者のみの筈なのに低ランク冒険者も参加を可能な為雑用の依頼が滞って町の機能の低下にも繋がっている。
領主であるルーセント辺境伯を訪問し騎士団の追加派遣は可能か聞きに行ったがこれ以上は治安維持の問題やウラカの防衛の面から派遣するのは無理だと断られた。
代わりに現在王都にこの事を伝え救援部隊の派遣を要請していると言われた。
だがそれでは間に合わないだろう先ず派遣するかの会議で最低でも1週間近くかかるだろうそれに派遣すると決まっても食料や武器防具の手配などする事は多岐にわたる。
それらを終わらしても王都からウラカまでは距離がある為早くても1ヶ月はかかる計算になる。
その為ルーセント辺境伯は近隣の領主にも要請をしている。
「その内内枠ですがAランクのパーティーが4つとAランククランが1つ、Bランククランが2つにBランクパーティーが3つと高ランク冒険者が集まっています」
今回の緊急収集はCランク以上が対象である、量より質を重視している。
「そうか、ならば収集は終了してそのメンバーで救援部隊を編成する」
「わかりました、食料は8割がた手配出来ています。残り2割はあと2日かかるかと」
「そうか、ならば引き続き頼む、儂はこれより領主の元で救援部隊の事を話してくるとしよう、後は頼むぞ」
そう言いジルロは席を立ち領主の元へ向かう。
一階に降りると職員が慌しく動いていた。
今は受付を1つに減らし受付嬢達も裏方で働いている。
集まった冒険者の宿の確保や、倉庫を借りにと奔走している。
ジルロはご苦労と労いの言葉を告げ足早にギルドを後にする。
町も俄かに慌しい雰囲気を纏っている。
色々な噂が錯綜し不安がっているのだ、騎士団が出動し住民を落ち着かせ根も葉もない噂を否定している。
そんな中をジルロは領主の城を目指して歩く。
願わくは遠征軍がまだ無事である事を祈って。