44話
周りの状況を上を飛んでいる鳥を使役して再確認する。
残っている冒険者は約400人程、それが一塊になっている。
その周りに魔物が約6000程囲っている、残りの魔物は砦を攻め立てているものや逃げた者を追うもの等に分かれている。
「まずいな」
どうやら中々殲滅できない事に苛立ったのか中級魔族も高位の魔物を引き連れてこちらに向かってくる。
あの集団が合流する前に何とかこの囲いを突破しなければ、生き残る可能性が限りなく低くなる。
まあ、今でも十分に低いが
「野郎共!気合を入れろ!行くぞ!!らぁ!」
掛け声と共に【バードラ】のクランマスター、タイタスはレッサーデーモンに斬りかかりそれに続いて他の冒険者も突貫する。
タイタスがレッサーデーモンに盾殴りを食らわしよろめいた所を、他の冒険者達が剣や槍を突き出す。
レッサーデーモンは何とか身を捻り交わしたがその所為で態勢を大きく崩した所を、タイタスは見逃さず持っている剣を首筋目掛けて一閃、見事レッサーデーモンの首から上を斬り落とした。
だが斬り落とし油断した所を背後から迫ったもう一体のレッサーデーモンが突き出した爪が腹を抉る。
タイタスは堪らず膝をついた。
「くそぉ!この野郎!」
タイタスは持っていた剣を背後のレッサーデーモンに向かって振るうがレッサーデーモンは、すぐさまに後ろにジャンプして交わす。
まずいな、この中で一番レベルが高い彼も早々に深手を負ったな。
「おい!ユウマ彼処が層が薄い彼処を突破するぞ!」
「あっ、待てベックそこは…」
言い切る前にベックが飛び出して行く。
まずい、彼処の方から中級魔族が接近して来ている止めないと。
他のメンバーもベックの後に続いて駆け出す。
俺は必死になって追いかける。
「くそ!邪魔なんだよ」
立ち塞がる魔物共を時には自分の魔法で、時にはゴーレムを突貫させて突破して行く。
だが間に合わずベックがそこを突破した時、ベックの目の前に中級魔族が現れ、ベックの首を手刀で斬り落とす。
「べ、ベックー」
デリアの悲痛な叫びが聞こえる。
次に狙われたのはベックのすぐ横を並走していた、ラントだラントは素早く短剣を投擲して距離を開けるべく、後方にジャンプするが相手はそれを許さず手を前に突き出したそこから火魔法の《ファイヤーストーム》を繰り出しラントとその近くにいた冒険者、魔物を巻き込んで火達磨にする。
ドリスはその光景を見て気絶して後ろに倒れる、それをガイルスが素早く支える。
「よくも二人を!死ねぇぇ!!!」
「よせ!デリア!」
ガイルスの制止の呼び掛けも止まらずデリアは中級魔族に向かって矢を放つ。
中級魔族はその矢を鬱陶しそうに手で払いデリアを見据えて人差し指をデリアに向ける。
デリアは不味いと思ったのか精霊魔法を素早く唱え〈守りの加護〉を自分にかける。
デリアが〈守りの加護を〉をかけ終わった直後魔族の指から指向性の電撃が放たれるがデリアの〈守りの加護〉に阻まれる。
魔族は忌々しそうにデリアを睨み自身の背後に控えるオルトロスをデリアに嗾ける。
「ユウマ、ドリスを頼む俺はデリアを助けに向かう二人を頼んだ」
ガイルスがドリスをユウマに預けオルトロスとデリアの直線上に大剣を持って構える。
オルトロスはそんなガイルスを歯牙にもかけずそのまま突き進む。
「舐めるなよ、このクソ犬が!」
ガイルスは吠え自身に身体強化を何重にもかけ迎え撃つ。
ガイルスの大剣はオルトロスの右の首を斬り落とす事に成功したが残ったもう片方の首がガイルスの喉元に牙を突き刺し噛み千切る。
ユウマはドリスを背負いビッグウッドアーマーゴーレムを4体出し魔物の群れに突っ込ませ魔物を薙ぎ倒して行く。
その後ろを新たに30体通常の人型ゴーレムを出しその指揮をミノタウロスを一体召喚して取らせ退路を確保させる。
ユウマは素早くデリアに近寄り立ち尽くしたデリアの手を握り引っ張る。
デリアは抵抗せず大人しくついてくる。
ユウマはゴーレムが確保した退路を後ろを振り返らずひた走る。
皆さん台風の影響はどうですか?
自分は早速停電にあいました。




