43話
短いです
探す事数分遂に【緑の風】のみんなを発見した。
身体中に細かな傷等が多数あるがどれも重傷ではなく、動きに支障は無さそうだ、だがやはり疲労が色濃く出ている。
周りを見るがまだ元気なのは上位ランクの冒険者のみでそれ以外の冒険者は気力で戦っている状態だ。
すぐに【緑の風】の元に駆け寄り周りに通常のゴーレムを新たに20体出し近くの魔物を斬り伏せる。
「みなさん!ご無事でしたか⁉︎」
俺の声に近くにいたデリアは一瞬目を瞬けたが、すぐに呆れたようにそれでいて嬉しそうな顔をして「ユウマ貴方来たのね」と言い「ありがとう」と感謝の言葉を述べた。
ベックが「おう!二人とも感動の再会は後にしてくれや!それよりも今はこっちを手伝ってくれよ!」と冗談めかし半ば本気でからかう
言われたデリアはすぐさま弓で近寄って来た魔物を撃ち抜く。
ユウマもゴーレムに指示を出し自身は火魔法で近づいて来た魔物を火達磨にする。
ガイルスがドリスの護衛に当たり近く魔物を大剣で一刀両断にし、ラントが魔物の目などに鉄串を投げ仰け反らせた所を、ベックが剣で斬りつけ倒しドリスが傷付いたみんなを回復魔法で癒し、デリアは司令塔の魔物の眉間を撃ち抜く。
見事に連携を取っている。
ユウマもその輪に加わり援護する。
だがこのままではやはりジリ貧だ、
何か打開策が無いかと考えていると鬨の声が上がった。
「キングクラブを討ち取ったぞ!!」
どうやら【バードラ】のクランマスタータイタスが討ち取ったようだ、
その声に周りにいる冒険者が歓声をあげる。
「「「うおぉぉぉお‼︎‼︎」」」
キングクラブはAランクの魔物でこの一帯の魔物の指揮を取っていた魔物らしく、魔物の統率が乱れ隙が生まれる。
その隙を冒険者達が見逃す筈が無くすぐさま突撃し退路を確保する。
出来た道を冒険者達が駆ける。
その時影が過ぎ去り先頭を走っていた冒険者の前に何かが現れた。
その者の一振りで前にいた冒険者数名が吹き飛ばされ絶命した。
現れたのは魔族のレッサーデーモンだ。
周りを見ると他にも居て魔物達の混乱を収め再び統率していた。
「まずいな」隣からベックのそんな呟きが聞こえた。