40話
短くてすいません
-翌朝-
夜明けとともに銅鑼が鳴り強制的に起こされた。
ドーンドーンドーン
「煩いな、何だ?」
俺は寝間着から戦闘服に着替える。
今の装備は前よりも良くなっている。
その理由は連日攻めてくる魔物を倒し、その素材で作ったからだ。
勿論俺が自分で作った訳では無く、
この遠征軍に参加している鍛冶師が…だ。
炉などは専門の魔法士が作成した。
ハイリザードマンの緑色の鱗鎧を装着し、随所には様々な魔物の皮や骨を織り交ぜて作った逸品だ。
そして装備を軽く確認してからテントから、出ると他の冒険者達も不機嫌そうにしながらも、素早く戦闘準備をし出てくる。
そして周囲を警戒する。
その時一騎の騎兵がやってくる。
「エラキス将軍から本日の作戦の説明と目的が、話される!素早く移動せよ!!」
その言葉に周囲の冒険者は遂にあの無謀な作戦を実行するつもりかと、殺気立つ。
騎兵もまさか、作戦内容を冒険者が知っているとは思っていないので、ただ単に早朝から起こされて怒っているだけだと判断し「早く来い!」ともう一度言ってから戻って行った。
その後砦内部に通され、広いスペースのある場所に遠征軍のほぼ全てが集まった。
集まっていない王国軍の部隊は周囲の警戒の為だ。
そうこうしていると、壇上にエラキス将軍が立ち周囲を俯瞰してから、話し始めた。
「聞けぇ!栄えある遠征軍に選ばれし者どもよ、これより我が軍は一大反攻作戦を実地する。邪悪なる魔物どもを操る魔族が昨日発見された!我々はその魔族共を葬り去るべく、本日打って出る!」
「作戦は至ってシンプルだ!先ずは防御壁の上から、魔族のいる方面の魔物共を魔法と矢で一掃する、その後勇敢な冒険者諸君に魔族までのルートを確保してもらい、騎士団の精鋭がその援護に当たる!勿論我が王国軍からも幾つかの部隊をその維持に当たらせる!そして出来たルートを精鋭の部隊が素早く通過し、魔族を我が討ってくれる!」
「作戦は2時間後に決行する!それまで諸君には朝食を配膳するのでそれを食べ装備を点検し!万全の準備を整えてくれたまえ!では解散!」
一方的に言うだけいってエラキス将軍は足早にお付きの者とその場を後にした。
残された冒険者や騎士団はエラキスの無謀な策に怒りを覚えた。
今のこの砦の戦力は
王国軍:4218人
冒険者:843人
騎士団:96人
合計:5157人
この人数で推定2万違い魔物の群れを突破し尚且つ魔族を討つなど、到底不可能だと誰しもが思っている。
だが彼らは冒険者、最後の最後まで生きる為に僅かな可能性を見出し、生き延びてきた猛者達だ。
各々万全の準備を整えて来るべき時を待つ。