241/250
212話〜試練のダンジョン⑧〜
遅れました
石造りの通路を抜けた後も、順調に試練をクリアして行く。
何故か数学などの問題もあったが、一般教育を受けていれば余裕でクリアできる問題であった。
しかしそれは現代の基準であった。
この世界では一部の者のみが学校に通っており、大半は読み書きが出来れば優秀とされる世界である。
商人以外だと計算が出来ない平民は多い。
だが、一流の冒険者となるとその辺りも習得しておりクリアする事が出来た。
そして次は六つの通路に分かれている広場に出た。
「どれか一つが正解の道か。或いは全てが罠で隠された真の道があるかもな」
ヨーゼフはそう言って、近くの小石を拾い通路の一つに投げ込んだ。
すると通路から槍が飛び出して来た。
槍の先には毒が塗られていた。
他の通路も似たり寄ったりな罠ばかりである。
「全ての通路に罠が仕掛けられている様ですね」
「ああ、全て避けながら行くのは難しいな。今回はここまでにするか?」
「わかりました。無理は禁物ですね」
こうして一行は引き返す事にした。




