210話〜試練のダンジョン⑥〜
次にユウマ達が選んだ吊り橋は、一見すると古く今にも壊れそうであった。
選んだヨーゼフ曰く「こう言う如何にも駄目そうな物が大丈夫だったりするわけよ」と自信満々に言い切る。
ヨーゼフがその吊り橋に一歩乗ると、バキバキバキと音がして、底が抜ける。
「あ、いや……すまん」
素直にヨーゼフは謝罪する。
また選び直す。
今度は慎重に選び、古いが丈夫そうな吊り橋を選択する。
ヨーゼフが慎重に足を運び、無事に渡り切ることに成功した。
残りのメンバーも無事に渡れた。
「一気に景色が変わったな」
ヨーゼフが言う通り、次のエリアは森であった。
これまでの試練のダンジョンは、洞窟内のエリアであったが森林エリアも加わったようである。
「生き物の気配はしませんね」
「罠がメインのダンジョンだから、油断せずに行こう」
暫く進むと見た事のある場所に戻って来た。
「同じところをループしてませんか?」
「ああ、そんな感じだ。試しにこの木に印を付けて見るか」
近くの木にナイフで適当な印を付ける。
そして今度は先程と違う方向に進む。
しかし20分ほど歩くと同じ場所に戻って来た。
「同じ場所だな」
「はい。幻覚ですかね」
「その可能性もある。だが、何かルールがあるはずだ」
一旦辺りを探す。




