206話〜試練のダンジョン②〜
遅れました。
ガンジョーが先頭になって進む。
大きな盾を構えて、前からの脅威に備える。
慎重に間隔を空けながら、一行は一本橋を進む。
すると左右から矢が飛んで来る。
それをリムやムスが短剣を使い弾く。
何度か防ぐと落石などもあったが、問題なく対処した。
そして橋を渡り終わると、扉があり開く。
中は広場になっており、宝箱が点在していた。
「殆どは罠だ。中には本当に高価な物もあるが、今回の目的はこの階層じゃない。無視して進むぞ」
ヨーゼフの言葉に従って、宝箱は無視して進む。
「次は迷路だ」
迷路の入口には、他の冒険者パーティーの姿もあった。
「ん?ヨーゼフ!お前達も来たのか!」
「おう!相変わらずの丸顔だな!」
ヨーゼフの知り合いらしき、冒険者が声を掛けてきた。
全員が重厚な鎧と盾と装備した、男ばかりのパーティーである。
パーティーに異性がいるのは意外と少ない。
何故ならトラブルの原因になるからだ。
過去にも高位冒険者パーティーが、痴情のもつれで解散したパーティーが幾つもある。
ヨーゼフは暫く知り合いの冒険者と、情報交換をする。
「どうやら悪い知らせのようね」
戻って来たヨーゼフの顔を見て、アンジェラはそう判断した。
「ああ、その通りだ。どうやら1時間ほど前に、迷路が動いたらしい。今は斥候たちが中に入って新たにマッピングしてるらしい」
この迷路は不定期で中の構造を変えるらしい。
その度に新たなルートの作成が必要になる。
危険な罠も出現したりするので、変化直後は更に気を引き締めて行かなければならない。




