202話〜王都での出来事②〜
翌日、目を覚ますと何処かの宿にいた。
「ん?此処は……。っつ!?頭が痛い」
飲み過ぎて二日酔いになった様だ。
「あらん?起きたのね」
扉を開けて入って来たのは、冒険者と思われる女性の格好をしたスキンヘッドの大男であった。
毛布を捲ると、ちゃんと服を着ていた。
「ふふ、大丈夫よ。何もなかったわ。ヨーゼフちゃんを呼んでくるわね」
ヨーゼフは確か、昨日仲良くなった冒険者の男であったはずだ。
「ふぅ、何もなくて良かった」
暫くすると足音が近づいて来た。
「お!起きたな」
扉を開けて入って来たのは、30代後半程の無精髭を生やした長髪の男であった。
「あの後何があったんだ?」
「いや、ユウマが結構いける口だからつい飲ませ過ぎてしまった!悪かったな!」
「頭がズキズキする」
「二日酔いだな。マスターに二日酔いに効くメシを作って貰ってるから、後でそれを食うと良い」
「そうする。それでさっきの男?女?の人は」
「ああ、アンジェラか。あ、本名はマスタングだが、そう呼ぶとキレるから気をつけろよ」
「わかった」
「それで約束は覚えてるか?」
「ああ、そう言えば一緒にダンジョンに潜るんだったか?」
「そうだ。覚えてるなら良い。今日は無理そうだから明日行こう」
「わかった」
「よし!そろそろメシも出来た頃だろう!下に行くぞ」
ヨーゼフと共に下の食堂に向かう。




