199話〜論功行賞〜
ウラカ防衛戦から数日後、戦後処理も終わり王都で論功行賞が行われる事になった。
帝国の侵攻から魔物の暴走まで、困難続きであったが、漸くそれも終わったのである。
ユウマもクヴァルムとして参加していた。
クヴァルムの派閥の長でもある、第三王女シャルロットも評価された。
クヴァルムも男爵から子爵は陞爵された。
論功行賞が終わると、戦勝を祝したパーティーが開かれた。
今回活躍した事で、クヴァルムにも擦り寄って来る貴族はいた。
そう言う貴族は風見鶏であり、信頼は置けないが数は力とあり今はそう言った貴族も取り込む必要がある。
それに娘を何かと紹介して来る。
今は乗りに乗っているクヴァルムも取り込もうとしているのだろう。
「随分疲れておるな」
「これは殿下」
シャルロットが派閥の者を率いて、クヴァルムの元にやって来た。
「もっと砕けたので良いぞ。と言いたいが今は無理じゃな」
チラリと周囲を見ると、こちらの様子を伺っている貴族達がいる。
「今回はだいぶ奮発したの」
今まで秘匿していた山の民達も動員した為に、これでクヴァルムの戦力の多くは露呈して事になる。
「ええ、ですが今回は仕方がない事かと。それに報酬も十分に頂きましたので」
「そうか。そうそうお主の退路を絶った男爵じゃが、蜥蜴の尻尾切りをされての逆賊行為としてお家を取り潰しにされたらしい」
「そうなのですか?」
「うむ、妾の派閥から代理の代官を派遣しておくので、暫くはその者と上手くやっとくのじゃ」
「ご配慮ありがとうございます」
他派閥からの接触もあるかと思ったが、流石に論功行賞後の晩餐会とあり平和に過ぎて行った。




