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ゴーレム使い  作者: 灰色 人生
バトランタ攻防戦
225/250

196話〜ウラカ防衛戦⑥〜

 

 勇者達の側には聖騎士達が、周りを固め近付く魔物を倒している間に、勇者達がスキルを放つ時間を稼ぐ。


 その間に勇者達がスキルを放つ準備をと唱えて、範囲攻撃を開始した。


 それを見て帝国兵達は雑談する。


「やっぱり勇者のスキルは凄いな」


「ああ、普段偉そうにするだけある」


「これでまたルパメント聖王国の影響力が増すんじゃないか?」


「どうだろうな?幾らか献金をして勇者が派遣されたと思うが……王国への侵攻作戦も失敗したし、暫くは復興とかで忙しくなりそうだ」


「ああ、おっとあんまり喋っていると怖い隊長殿に怒られそうだ」


「そうだな」


 彼らの隊長と思われる者が近くを通ったので、二人は話すのを止める。


 最初の方は順調に討伐が進んでいたが、次第に勇者の一撃では死なない魔物が現れ始めた。


 討ち漏らしは、聖騎士が請け負っていたが、それも数が増えてきて、とても聖騎士だけでは捌き切れる数ではなくなって来た。


 帝国軍も協力して倒すが、数の暴力の前に飲み込まれてしまう。


 最初に犠牲となった部隊は、消耗していた獣人部隊である。


 彼らは魔物の波に飲み込まれ、部隊単位で消滅して行く。


 ルパメント聖王国の救援部隊は、勇者の安全を第一に考え、帝国軍を見捨てて逸早く離脱を開始した。


 その為に何とかギリギリで持ち堪えていた、戦線が完全に崩壊し帝国軍は次々と魔物の餌食になる。


「司令官!ルパメント聖王国軍が逃げ出しました!」


「なっ!クソッタレ!」


「報告します!獣人部隊が全滅!これ以上戦線を維持出来ません!」


 司令部には悲報が次々と届く。


「仕方ない。此処を放棄して後方の防衛陣地に退却する」


「はっ!」


「負傷者はどうしますか?」


「動ける者だけ動かせ。他は見捨てる他ない」


 司令官が非常な決断を下す。


 こうして帝国軍は、魔物の押さえ込みに失敗し領土内に魔物の侵入を許してしまう。


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