188話〜予想外の事態〜
あけましておめでとう御座います。
2023年も宜しくお願いします。
今回の帝国軍との戦争に対し、王国側は抗議の文を送ると共に逆侵攻を仄めかす。
だが、実際には逆侵攻することは厳しかった。
一応は国境の防衛を強化し、侵攻準備を整えている様に見せ掛ける。
帝国側も国境に更なる兵が集まり、王国に備えている。
しかしラーバント帝国では早速権力闘争が起こっていた。
今回の侵攻の失敗の責任の押し付け合いが始まっていたのである。
更に最近は東部のルパメント聖王国の動きがきな臭く、迂闊に東部の軍を動かす事が出来ないでいた。
その気になればすぐに数万の軍を動かす事は出来るが、今の状況では難しいだろう。
だが、王国と帝国の思惑とは別で両国に取って緊急事態が起こる。
それは魔の森で氾濫が起こる可能性が報告されたのである。
先の争いにより流れた血の匂いで、魔物達が興奮状態にあるらしく、王国側は集まって来た援軍を辺境都市ウラカに集結させ始めた。
帝国も同じく急遽軍を魔の森方面に向かわせるが、足並みが揃わず数が足りなかった。
そして数日後、魔の森で氾濫が起こった。




