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ゴーレム使い  作者: 灰色 人生
バトランタ攻防戦
206/250

177話〜バトランタ戦⑤〜

 

 オークやオーガを盾にしながら、その後ろを歩兵が進む。


 矢で倒そうにも、オークやオーガの皮膚は分厚く遠すぎると刺さりはしない。


 しかしバトランタ製の鏃はそこらの物よりも性能が良く、遠くからでも十分にオークやオーガに突き刺さる。


 しかしは流石はタフネスが売りの魔物だけあり、数本刺さったぐらいでは気にした様子もなく進軍して来る。


 このまま進めば第一防衛ラインを突破されるだろう。

 そうすれば総崩れする可能性もある。


 堀の深さと大きさから、オーガの巨大であれば飛び越える事が可能である。


 砲塔から大砲が発射されオークやオーガに命中する。


 流石にオークやオーガも無事では済まず吹き飛ぶ。


 だが、大砲には限りがあり全てのオークやオーガを倒すには至らない。



 その隙をついて歩兵部隊が突撃して来る。

 しかしその事は十分にバトランタ側は理解しており、罠を仕掛けていた。


 オーガやオークには効かないが、人間には効果抜群である。


 そうして足止めしている間に、増援が間に合い守りを固める。


 オーガやオークにはゴーレム兵があたり、それ以外の人間の兵士にはバトランタ領兵があたる。


 夜襲もあり、バトランタ領兵の中には疲労で満足に動けない者も出始めて来ていたが、故郷を守る為にも必死に動いてくれている。


 夜明けから始まったこの戦いも、そろそろ太陽が頂点に登る程時間が経過していた。

 そろそろ限界を感じていた時、角笛の音が響き渡る。


 丘の上に突如として5千規模の軍勢の姿が見えた。


 よく見ると、それはオルトメルガ王国の旗を掲げており第三王女シャルロットの旗もある。


 つまりは味方であり、援軍が間に合ったのである。


 バトランタ領兵は疲れが吹っ飛んだ様な気分になり戦意が向上する。

 一方の帝国側はもう少しで突破出来ると思っていた所に新たな敵の出現である。


「これ以上は無理だな」


 ラジェット将軍はそう判断し、撤退の鐘を鳴らさせる。

 素早い対応により、致命的な隙を見せずに見事な撤退戦を指揮し帝国軍は退いていく。


 こうしてバトランタにおける戦いはオルトメルガ側の勝利で終わった。


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