176話〜バトランタ戦④〜
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バトランタで死闘が繰り広げられている頃、シャルロットはすぐに動かせる兵力として集めていた傭兵団にバトランタに向かう様に指示を出す。
その傭兵団の中には漣の灯り団の姿もあった。
ドーベル・マイース前にクヴァルムと一騎討ちをした人物が率いる傭兵団である。
他にも様々な傭兵が集まり、その数は5千にまで膨れ上がる。
シャルロットは父から許可を貰い、自身の親衛隊とシャルロット派の貴族の私兵団を纏め傭兵団と合わせて1万3千を率いて国土防衛の為にバトランタに向かう。
当然他の派閥は邪魔をし、自身の派閥が軍勢を送ると提案などもしたが国王の鶴の一声でシャルロットに任せる事が決まった。
その分バトランタ以外の場所は第一王子派と第二王子派の者達に任された。
こうして王都では一気に情勢が動き始めていた。
王都でこの様になっているとは知らないバトランタでは、今を生きる為に必死に戦っていた。
ゴーレムも多数投入され、徐々に押し返していたが、帝国兵に加えて魔獣兵が操る魔物により苦戦を強いられていた。
そこに山の民の軍が横合いから現れ、一斉に矢を放つ。
突然の敵に帝国軍は反応が遅れ、少なくない被害を受ける。
そして隙を見せた帝国軍に山の民の軍勢が突撃する。
その間に体勢を立て直したバトランタ軍は、陣形を組み帝国軍に対抗する。
魔獣兵には一人ではなく複数で、可能なら小隊や中隊規模で迎え撃つ。
「奇襲は失敗だ!仕切り直す!全軍退却!」
帝国軍は規律だって退却して行く。
夜の追撃は危険な為にバトランタ軍はその場に留まり警戒する。
唯一ゴーレム部隊だけは限界まで追撃を行いある程度削ると戻って来た。
負傷者を収容し僅かな時間だが、兵に休息を取らせる。
「アール。魔導機兵の準備は?」
「はい。既に新たに製造した1万機の稼働を完了致しました。ご指示があればすぐにでも動かせます」
「良くやった。今日が本番だ。急いで裏手に回らせよ」
「畏まりました」
朝日が昇る頃、帝国軍は動き出した。
今回攻め寄せて来るのはオークやオーガなどの大型の魔物である。
その少し後ろにオークやオーガよりも大きい個体がいるが、あれが魔獣兵だろう。
オークやオーガを指揮している様子がある。
数は300ほどであるが一般の兵にとっては脅威である。
小さな町なら壊滅させる程である。
こうして帝国軍との戦いは次の段階に移行する。
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