173話〜バトランタ戦①〜
初戦は帝国軍はバトランタ軍の罠に嵌り、数百名の被害を出した。
一方のバトランタ軍は被害なしである。
時同じくして、要塞にも帝国軍が到着し戦いが始まった。
こちらは普段と変わらず、要塞側が戦いを有利に進めていた。
バトランタ攻略軍にも、要塞に帝国軍が到着した知らせが届く。
「ならば動くしかないか」
本当は偵察を重ねて慎重に行動に移したいところだが、本来なら2、3日で攻略が可能と思われていた為に、あまり長い時間をかける訳には行かない。
全体の戦略として如何に早く此処を落とすかが、今後の王国戦との鍵になるだろう。
それがわかっているだけに、ラジェット将軍は精鋭部隊を投入する事を決意する。
今の帝国軍には先日までのバトランタン軍を侮る雰囲気はない。
今回投入するのは、徴兵された兵士ではなく訓練された職業軍人の帝国兵である。
「一気呵成に攻め落とすぞ!」
朝早くから帝国軍は動き始める。
徴兵された兵士とは違いやはり動きは機敏であり、帝国軍はバトランタ軍に接近する。
大砲や矢で迎撃するが、大砲はまだ数が少なく連射が出来ないので次弾発射までに時間が掛かる。
そこで遂にバトランタ軍はマスケット銃を投入する。
これまで盾で矢を防げていたが、銃弾は盾を貫通してしまう。
しかし命中率はそこまで高くないので、あまり接近しないと当たらない。
それでも次々と現れる新兵器により、帝国軍の士気は目に見えて下がっている。
「クソッ!!騎士団を投入する。勢いで攻めるしかない!」
ラジェット将軍は龍緑騎士団を率いて突撃する。
騎士の鎧は分厚い為に、ある程度接近しないと銃弾は貫通しなかった。
それでも発砲時の音に馬が驚き、落馬する者達が続出した。
それでも決して歩みを止める事はなく、騎士団は突撃する。
そして遂に突破したかと思ったら、ラジェット将軍と他の先頭集団は炎の海に飲み込まれる。
そう、バトランタ軍は火炎放射器を用意していたのである。
それにより騎士団は炎に巻かれてしまう。
そして司令官であるラジェット将軍の戦死は、戦意が低下していた帝国軍にトドメの一撃を加える形になり帝国軍は瓦解する。
そこに山の民達が横合いから攻撃を開始する。
一応警戒はしていたが、ラジェット将軍の戦死などもあり警戒が緩くなっていた所への突撃である。
帝国軍は撤退を開始した。
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