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ゴーレム使い  作者: 灰色 人生
バトランタ攻防戦

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170話〜御前会議③〜

 シャルロットが告げた将軍の名前はロベルタ将軍である。


 確かに彼は優秀な将軍ではあるが、本営つまり王宮の指示を悉く無視した作戦行動を起こす将軍であったが、それ以上の戦果を必ず叩き出す為に処罰もし辛いとても扱いの困った将軍であり、今までどの陣営も取り込もうとしなかったのである。


 一応軽くは声を掛けても、殆どが門前払いであった。


 なので此処でシャルロットから、ロベルタ将軍の名前が出るとは他の参加者達は誰も予想だにして居なかった。


 唯一国王のガイセルだけは、驚いた顔ではなく感心した様な顔をしていた。


「それにロベルタ将軍は今は西部に配置されている筈です。今回の戦地となるバトランタとは正反対の位置ですので、今から連絡しても間に合わないのではないでしょうか?」


「その心配は無用じゃ。既にロベルタ将軍は行動に移しておる」


「それはいったい?」


 その時伝令の兵士が入って来る。


「会議中失礼します!西方のロベルタ将軍の麾下の軍団の姿が消えたと現地から報告が上がっております!」


「何っ!?何処に消えたと言うんだ!」


「流石はロベルタ将軍じゃの。行動が迅速じゃ」


「シャルロット殿下。ロベルタ将軍の行き先をご存知で?」


「無論じゃ。ロベルタ将軍はバトランタに向かっておるよ」


「これは問題ですぞ。シャルロット殿下。以下に殿下と言えども勝手に軍を動かされては反逆と捉えられても仕方がない行動です」


「はて?妾はロベルタ将軍にはバトランタで大きな戦が起こりそうじゃと話しただけで、行く様には命じておらんがの」


「ならば勝手にロベルタ将軍が移動したと?すると軍法会議ものですな」


「そうはならぬの。調べてみたがロベルタ将軍には独自裁量権を与えておったであろう?」


 自由に動き過ぎるロベルタ将軍には、独自裁量権を与えていた。


 それはいちいち軍法会議にかけるのが面倒な上層部が与えた権限であった。


 しかもまさか担当地域からも外れるとは、流石の上層部も考えていなかったのである。


 その後兵站などについて様々な会議がなされた。


 そして要塞にはルーデンス将軍が派遣される事が決定した。


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