167話〜その頃の王都〜
王都にもラーバント帝国が戦争準備をしている事を報せに、伝令が各地からやって来た。
そしてバトランタへの陸路が崖崩れを起こし封鎖され、更には船も火災により失ったことにより、早急な兵力を派遣する事が出来なくなった。
明らかに帝国の妨害だと認識されたが、他の場所からも過去に幾度となく侵攻を開始した為に、バトランタだけに構っている訳には行かなかった。
シャルロットはすぐに自身の派閥を集めて会議をした。
「すぐにトリエラ男爵領に人を送り、道の復興に取り掛かりましょう」
「それにしても今回のトリエラ男爵領とバトランタ子爵領の崖崩れは帝国の間諜の仕業で間違いないでしょうが、伯爵の船を襲ったのはあの火災の規模から見て、他の派閥が手を貸した可能性が高いかと」
「まさかいくらなんでも他国の、それも帝国の手助けをしただと?」
「そこまで腐りきっているのか」
「皆落ち着くのじゃ」
「これは失礼しました」
「すぐにバトランタ領に援軍を送る準備を。してどの程度送れる?」
「すぐにでしたら5百程。準備をしても3千程でしょうか」
「王国軍は動きませんのか?」
「難しいの。バトランタ領だけではなく他の場所からも侵攻する可能性が高いのでな。王国軍は動いたとしてもバトランタ領が抜かれた後かの」
「それでは見殺しにする様なものではないですか」
「なんとか妾も父上を説得してみる」
その後は特に目新しい情報もなく、会議は解散した。
そして王を筆頭にした御前会議により対ラーバント帝国の会議も始まった。
次回は9/11




