157話〜地下施設⑥〜
また緊急事態宣言が発令されましたね。
皆様大変な時ですが頑張りましょう。
ウェールズ達にバトンタッチしてからは早かった。
もともと先の戦いでダメージが蓄積されていた事もあるが、ウェールズと他の冒険者達の方が先程の冒険者達よりもランクが上であるので、巧みな連携と息もつかせない波状攻撃により、ツインヘッドタラスクは回復が追い付かなくなり、遂には倒れる。
「よし、行くぞ!」
ツインヘッドタラスクが守っていた扉を開けて、中へと進んで行く。
そこにはまだ少しだけ研究資料などが残されていた。
「全て回収するんだ!」
それらを冒険者達が集めて行く。
「他の者達は逃げた者達を追跡だ」
逃亡から間もないので、急いで逃げた者達を追い掛ける。
そうして動いていると、ウェールズの元に急報が届く。
「ウェールズさん!大変だ!街に魔物が現れた!」
「何!?何処からだ!」
「地下の下水道からの様だ」
これは十中八九この施設にいた者達がした事だろう。
逃亡の為の時間稼ぎである事は明白だが、そのまま放置は出来ない。
「すぐに上に戻る」
地下施設を出ると、ウェールズはすぐに冒険者ギルドに向かって走った。
ギルドは人でごった返していた。
人を掻き分けてウェールズは受付に行く。
「状況は?」
「今は忙しいので後でお願いします!」と受付はウェールズを見ずに、手元の書類を急いで精査していた。
ウェールズに気付いたギルド職員が慌てて、ウェールズの元にやって来る。
「副ギルドマスター!戻っていらしたのですね!」
「状況は?」
再度聞くと今度は答えてくれる。
職員の話によると、突如下水道の各所から魔物が現れたらしく、現れたのは全て最近問題になっていた変異種である。
そして中でも厄介なのが、サイクロプスである。
ただでさえ巨大であるのに、このサイクロプスは通常の個体よりも更に一回り大きく、鎧の様な物を着ているらしい。
差し詰めアーマードサイクロプスと言った所か。
ウェールズはあの巨大な檻はこのサイクロプスの為の物だと理解する。
「すぐに動ける者達に連絡を!これは緊急クエストだ」
「わかりました」
まだウェールズが集めた上級の冒険者達の大半は地下施設の捜索中である。
こちらも放置は出来ないので、限られた戦力を的確に動かさなければならないだろう。
どうしようかと思っていると、ちょうどギルドへ麗しの薔薇の面々が入って来るところであった。
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