148話〜調査依頼③〜
サンドゴブリンの数は10匹程度である。
普通のゴブリンが緑色なのに対して、サンドゴブリンは土色である。
「どうやら変異種は居ないようだね。どうする?」
見たところ通常のサンドゴブリンだけ様である。
サンドゴブリンはあまりいい素材なども取れないので、あまり相手にしたくない部類である。
「他の群れを探しますか?」
「待つなの。あれを見るなの」
ミリナが指差した方を見ると、砂丘の影から通常のサンドゴブリンよりも明らかに巨大なサンドゴブリンが現れた。
普通ならホブサンドゴブリンかと思うところだが、その見た目は確かにサンドゴブリンのままである。
「あれが噂の変異種だね。なんだいあれは?オーガ並の巨体じゃないか」
「そうですわね」
体長は3メートル近くあり浮いている。
サンドゴブリンは平均で120cm程しか無いので、明らかにあそこにいるサンドゴブリンは異常である。
「強さも桁違いかもね。油断せずに行くよ。ミリナが一発かましたあとに突撃するよ」
「わかったわ」
「範囲攻撃魔法を使うなの」
「旦那から出来れば捕獲してくれって、言われてるからあまり威力が高いのはやめてくれないかい?」
「わかったなの」
ミリナが使用した魔法は、地面からトゲが生えてきて、一気にサンドゴブリンを貫いて行く。
異常個体は四肢を刺しただけである。
それを合図に、ビルナ達が飛び出して行く。
異常個体は「グワァァ!!」と咆哮して、拘束しているトゲを力付くで外す。
威力を弱めたとは言えど、サンドゴブリンでは拘束から抜け出すことが出来ない筈であった。
力だけは強いが、他は特に何もなくビルナ達の手により戦闘不能に追い込み、ミリナが強力な拘束魔法を使用して捕獲に成功した。
「さてと、一旦地上に戻るよ」
ビルナの言葉で地上に一旦戻ることになった。




