147話〜調査依頼②〜
迷宮は現在制限されている為に、いつもよりも人は少なかったが、警備の兵は逆に多く配備されており低ランクの迷宮への出入りを監視している。
ビルナが警備兵に書類とギルドカードを見せると、すんなりと迷宮の中へと入れた。
「さあ!行くよ!」
探索場所まで転移結晶で昨日の階層まで行き、そこから歩いて行く。
いつもなら他の冒険者を見かけたりするが、現在は制限が掛かっているので時々同じ依頼を受けた冒険者パーティーを見かける程度である。
「此処が問題の場所だね」
「そうですね。情報ではここでサンドゴブリンの変異種を見つけたそうです」
場所は砂漠エリアであり、ここではサンドゴブリンが良く、砂の中に隠れて襲って来る場所である。
他にも砂の中に隠れ潜む魔物がおり、暑さといつ襲われるかわからない緊張感から、精神的疲労が大きく冒険者から嫌われているエリアの一つである。
「先ずはサンドゴブリンを探すとするかね?」
「そうするなの。手掛かりないから仕方ないなの」
暑いのが苦手なミリナは、日傘を手に持ってそう言う。
既に汗をかいており、不快そうにしている。
一方、この中で一番暑苦しそうな神官服を着ているジュリーは涼しそうな顔である。
「ジュリーは暑くないんすか?」
「これも神の与えたもうた試練です」とだけ返して来た。
取り敢えず、いつまでも此処にいても仕方ないので手分けして探す事にした。
探すとなると、この広大な砂漠をただ闇雲に探しても仕方がない。
幾つかある砂丘の影の部分に隠れていたりするので、そこを中心に探す。
暫くするとサンドゴブリンを発見した。




