135話〜新たな仲間と共に〜
翌日
新たにナディアとディアナを加えたユウマ一行は、約束の時間にダンジョン前に行く。
すると麗しの薔薇の面々もすぐにやって来た。
軽く挨拶をすると、ナディアとディアナの事を聞いて来た。
「それでそちらの二人は?」
「新しい仲間です」
ユウマがナディアとディアナを紹介する。
「その二人は奴隷なの?」
若干視線を鋭くしたミリナが聞いてきた。
「我々は無理矢理ラーバント帝国の手により、奴隷となった身であるが、今はユウマ様に救われた身である。この恩義に報いる為に、ユウマ様の剣となり盾となろう。この誓いに嘘はない。世界樹に誓って」
「なるほどなの。それなら嘘はないなの」
どうやら世界樹に誓うのは、エルフ族にとっては、絶対に破らない誓いらしい。
麗しの薔薇の面々は、すんなりとディアナとナディアを受け入れてくれた。
それにしても女性比率が、更に上がってしまった。
周りの冒険者達からは、羨ましそうな視線を向けられる。
中には同じ女性がいるのにも関わらず、此方を見てきた男性冒険者は、仲間の女性冒険者に頬をつねられたりしていた。
さて、ダンジョンに挑戦したが、思ったよりもディアナとナディアは活躍して、今までよりも速いスピードでダンジョンを攻略して行く。
今日は二人のために慣らし運転なので、そこまで急いではいないが、思ったよりも順応が速かったので、当初の予定よりも深い階層まで進んだ。
そしてナディアとディアナが合流してから、数日経つともう問題はなくなっていた。
そして遂に麗しの薔薇から受けた、依頼の階層に到着した。
「此処がそうですか?」
「ああ、そうだよ。この先はあたし達も初挑戦でね。まあ、人数制限もあるが気をつけるんだよ。どんな罠や魔物が居るかわからないからね」
ビルナは全員に注意を促す。
改めて皆、気を引き締め直して扉の前に行く。
すると扉に埋め込まれた宝石の様な、綺麗な石が光だして、合計で6つある石が全部光ると、扉がゆっくりと開き始めた。
中からは冷たい風と共に、強い魔物の気配が漂って来た。
「歯応えのありそうな奴が、この奥にいそうだな」
そう言ってビルナは、獰猛な笑みを浮かべる。
「ビルナ。落ち着くなの」
「そうですよ。落ち着いて下さいね」
「本当にそうですよね」
ミリナ、キャミー、ジュリーの3人からビルナは注意を受ける。
「わかってるよ」
少し捨て腐れた様にビルナは言う。
「では、慎重に行きましょうか」
ジュリーの合図で、慎重に扉の中へと入って行く。
扉の中は一本道の通路である。奇襲はされそうにないが、擬態が得意な魔物や短時間なら姿を消せる魔物も存在するので、一行は油断せずに時間を掛けてかけて進む。
これ事態が、神経をすり減らす罠の可能性もあるが、疎かには決してしない。
それにAランクパーティーの麗しの薔薇は、慣れたもので程よく肩の力を抜きながら進む。
心配なのはナディアだが、上手くディアナがフォローしているので、大丈夫そうである。
20分ほど慎重に進むと、漸く通路の終わりが見えて来た。
通路から出ると、其処は広い空間になっており、壁には今にも動き出しそうな彫刻があった。
そして、この空間の中心にはキメラが鎮座しており、ゆっくりと起き上がる。
「どうやら此処は、アイツのテリトリーらしいな」
「その様ですね。キメラは多種多様ですから、油断せずに行きましょう」
キメラは見た目が一緒でも、能力が違ったりするので油断は禁物である。
見た目が違うと判断しやすいかと言うと、そうでもない。
キメラは周りの魔物を吸収して、その能力を劣化版ではあるが、獲得する事が出来るので見つけ次第、ギルドに報告するのが義務である。
そうしたいと、時間が経つごとにキメラは強大化して行くからである。
報告があると、すぐにギルドは討伐隊を編成して送り出すのである。
それにキメラは、色んな魔物の集合体でもあるので、稀に珍しい素材が取れたりするので、高収入を得る事が出来る。
ただ、ハズレもあり使えない素材が多い時もある。
此処らへんは運であり、宝くじ見たいな物である。(まあ、随分物騒な宝くじではあるが)
今回のキメラは、ゴリラの様な胴体に狼の顔、蟷螂の腕が2対1組、足は象の様なのが6本ある。
形としては、ケンタウロスに近い。
そして尻尾は、蠍の尻尾になっている。
蠍の尻尾の先の針からは、紫色の液体が出ており、それが地面に当たるとジュワと音がして、地面を溶かしている。
身体に悪そうな煙も出ている。
多分酸であろう。
「尻尾には注意して下さい」
ジュリーが注意点を言う。
「よし!なら散開して的を絞らせない様に、移動しながら行くよ」
ビルナの合図で動き出す。




