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ゴーレム使い  作者: 灰色 人生
第4章〜迷宮都市アザゼル〜
148/250

124話〜草原エリア02〜

平成最期の投稿です。

 


 遠目に見えたヨルスタインに近付いて行くと、桁外れの大きさに唖然とする。


 その大きさは大型トラックと同じぐらいである。


「あれをどうやって倒すんですか?」


「先ずは脚を狙うべきだね。穴を掘るのも一つの手だが、あの大きさの穴を掘るなら労力と時間がかかるからね。まあ、脚を一本やれば自重を支えられずに倒れるからね」


「見ていて下さい。見本を見せますね」


 ジュリーがそう言って詠唱を開始する。


 そうしている間に他の3人は縄を出して用意していた。


「キャミー準備完了よ」とジュリーが言うと「了解!任せなさい!」と言ってヨルスタインに近付いて行く。


 ヨルスタインはキャミーに気付くと突進して来た。


 それを絶妙なタイミングで交わしたキャミーは、手に持っていた丈夫そうな縄をヨルスタインの脚に巻き付けた。


 ヨルスタインが方向転換する為に速度を落とした瞬間、足下から巨大な土の壁が生えてヨルスタインの脇下をガッチリとホールドして持ち上げる。


「よし!脚を縛るよ」


 そう言ってビルナとミリナが縄を持ち駆け出して行く。


 そしてあっという間にヨルスタインの脚を縛る。



「よし、当たりだね。あとはジュリー頼む」


「了解」


 ジュリーはヨルスタインの乳まで土台を作る。


「じゃあ乳を絞るか」


 ビルナが壺を取り出して、その中にヨルスタインのミルクを入れて行く。


「大体こんな感じだけど、出来そうかい?」


 ビルナがユウマに聞いてくる。


「ええ、参考になりました。あとは自分たちなりにアレンジしてやってみます」


 そう返事する。



「そう言えば当たりって言ってましたけどあれは?」


「ああ、ミルクが取れるのは雌の個体だけだ。そして基本的に雌の個体の数は、雄の10分の一ぐらいしか居ないからね。基本的に討伐は雄だけで、雌は捕まえたあとはペンキなんかでマークするのさ」


 見ればキャミーがヨルスタインの左後ろ脚に何やら絵を描いていた。


「アレで次回はすぐに雄か雌か判断できる様にね。勿論マークされていない雌も居るから、当たり外れはあるわけさ。基本的にミルクの方が高値で売れるからね」と説明してくれた。


 そして縄を解いた後はそのまま放置して行く。


「あのままでいいんですか?」


「大丈夫ですよ。暫くすれば土魔法の効果も切れて、自然とあの土壁は崩れますから」


 普通はその様だ。


 ユウマの場合は魔力が桁外れに多いから、自分から解除しない限りは数百年はそのままの状態を維持されるだろう。



 そのまま20分ほどヨルスタインを探していると、漸く見つけた。


「ん?あれはヨルスタインじゃないね」


「そうなんですか?」


「ああ、よく見てみなよ。ツノが少し赤みを持っているだろ?あれはレッドヨルスタインって言ってね。ヨルスタインの上位種で火耐性と火属性の魔法を放ってくる厄介な敵だよ。ヨルスタインよりも攻撃的な性格をしてるし、初めて来た冒険者や慣れて来た頃の冒険者がよくヨルスタインと勘違いしてやられる典型的なパターンだよ。まあ、その分レッドヨルスタインのミルクは少し赤みがかっていて見た目はピンク色っぽいけど、その分甘みがあってヨルスタインミルクよりも高値で売れるから狙う奴はいるね。まあ、あたしらの目的はレッドヨルスタインやヨルスタインじゃなくて、あんた達に早くダンジョンに慣れてもらってボス部屋に挑戦する事だしね。

 それでどうする?」


 ビルナに問われて思案する。


(確かに先に進むことの方が重要か。特に金銭面では困っていないが、領地の開発に幾らあっても助かるのは確かだ。ある程度の試算はリーゼが出してくれているが、お金はあるだけ助かると言っていたな。それに成長にも繋がるし挑戦するか)


「やります」


「お!ならまたあたし達が見本を見せようか?」


「いえ、大丈夫です」


「本当かい?」


「ええ」


 その言葉が虚勢ではないと見たのか、ビルナは頷き一歩下がる。


「よし、行くぞ」


 リムとガンジョーに合図を出してレッドヨルスタインに向かって行く。



 レッドヨルスタインもこちらに気付き、戦闘態勢に入る。


 蹄を地面に打ち付けて威嚇する様にブルルルと鳴く。


「向こうもやる気だな。炎に注意しろ」


 突っ込んできたレッドヨルスタインは、ツノを突き出してこちらを串刺しにするつもりの様だ。


 その巨体と同様にツノも大きく、まるでランスの様である。


 レッドヨルスタインが進む方向に土木魔法で即席の落とし穴を作る。


 すると急には止まれずに、レッドヨルスタインは落とし穴に足を取られて、前のめりに倒れる。


 そしてその勢いのまま、ツノが地面に突き刺さり抜けなくなる。


「上手い具合に身動きが取れなくなっているな。今の内だ」


 そう言って頑丈な縄を取り出して、3人でレッドヨルスタインの足を固定して行く。



 口から火を吐くので口も結び安全を確保する。


 その後は運良く雌の個体だったので、手早く容器にミルクを絞る。




「上手く言った様だね」と近くで観戦していたビルナが声を掛けて来る。


「はい。今回は運が良かったので無事に捕獲出来ましたよ」



「魔法の完成速度が速かったの。ユウマの実力なの」とミリナが賛辞を送ってくる。


 それに「ありがとうございます」と謝辞を述べて、手早く替えの容器を出してミルクを絞って行く。


「この程度で良いだろう。ガンジョー、リム。縄を回収してくれ。十分に気を付けてな」


 二人は頷いて縄を回収する。


「よし、次に行こうか。アレも後で自力で抜け出すだろうさ」


 レッドヨルスタインにマークを付けてから、その場を後にする。

皆様平成では大変お世話になりました。

正直ここまで多くの人に読んで頂けるとは思っていませんでした。


投稿も遅くストレスフリーな作品では無かったとは思います。(要反省)


これからも応援のほど宜しくお願いします。


誤字脱字もない様に気を付けていますが、ありましたらご指摘のほどをお願いします。


では、令和も変わらずに宜しくお願いします。

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