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ゴーレム使い  作者: 灰色 人生
第4章〜迷宮都市アザゼル〜
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122話〜ダンジョン初挑戦〜

 長い階段を降りると、其処は洞窟の様な場所であった。


 だが、壁の所々が光り光源には事欠きそうにない。


「いいかい?基本的に1階層から3階層は洞窟地帯だよ。一応ヒカリゴケが所々にあるから、普通の洞窟よりも明るいとは言っても暗い場所があるから注意する事。時折暗闇から魔物が襲って来るからね。それと上にも注意するんだよ。突き出した部分とかもあって頭をぶつけたり、上からもキラースパイダーなんかも襲って来るからね」


「わかりました。大丈夫です」


「よし!みんな準備はいいね!行くよ!」


 ビルナを先頭に一行は進む。



 慎重に進むと、前方から物音が聞こえて来た。



「キャミー」


「う〜ん。多分ゴブリンかな」


「よし、先ずはあたし達がこの狭い洞窟内での戦い方の見本を見せるよ」


「わかりました」


 キャミーの予想通り前方にいたのはゴブリン8匹である。


 静かにビルナ達は近付いて小石を拾い、遠くに投げるカコーンと音がして、そちらへゴブリンの注意がそれた瞬間4人は一斉に攻撃を開始した。


 最初の4匹は攻撃されたと気付かぬ間に斃れ、残りの4匹も振り返った瞬間それぞれ斃された。


「見事だな。狭い場所での戦闘こそ連携が大事と言うことか」


 ウンウンと納得して頷く。


 そして倒された後には死体はなく、代わりに魔石や素材が地面に落ちていた。


 これがダンジョンの魔物の特徴である。


「さてと、次はユウマ達がやってみな。良いかい?先ずは自分の獲物とこの通路の幅を考えて行動しな。そうしないと武器が通路にぶつかったりするからね。そうだね……しばらくあたしらが周りを警戒しとくから軽く武器を振るうと良い」



 言われた通りにする。


 ガンジョーは大槌を振り回して、リムは短剣を振るう。


 ユウマも剣を振るって感覚を確かめる。



 20分程振るうと大体の感覚が掴めた。


「大丈夫です」


「よし!なら行くよ!」


 ビルナに付いてダンジョンを進んで行く。


 しばらくすると剣戟の音が聞こえて来た。


「あれは別の冒険者だね。ああ、言い忘れてたけどダンジョン内では初心者狩りをするダンジョンハンターと言われる盗賊がいるから気をつけな。上の階層では魔物よりも人間の方が余程脅威だよ。

 基本的にはダンジョン内ではあまり他のパーティーと接触しない事だね。向こうも警戒してるからさ。それと時々下の階層から上がってくる特殊個体がいるから気を付けな。通常よりも強いからね」とダンジョン内での注意事項を説明してくれる。



「いたわよ」もキャミーが告げる。


 確かに前から魔物の気配を感じる。



「よし!やってみな!危なくなったら手助けするよ」


「わかりました。行くぞ」


 二人を連れて進む。


 案の定ゴブリンが6匹いた。


 魔法でも倒せるがここは剣で行こう。


「やれガンジョー、リム」


 ガンジョーの大槌の上にリムが乗る。


 そしてガンジョーが大槌を思いっきり振ると、タイミングよくリムがジャンプして弾丸のような速さで、ゴブリンに急接近する。


 そしてすれ違いざまに二本の短剣でゴブリンの頸椎と喉を切り裂く。


 突然の出来事にパニックになっているゴブリンに近寄り、素早く残りを斬り伏せる。



「おお!まさかあんな戦い方をするとはね。だが、ゴブリンには通じたけど気を付けないと危ないよ」


「はい、わかりました」


 確かにあの戦法は奇襲前提である。


「だけど良い動きだったよ。この分だともう一つ下の階層でも大丈夫そうだね」


 そう言って上機嫌にビルナは笑う。


「うるさいなの。ビルナ」


「はいはい、悪かったよミリナ」



「はい!油断せずに行きましょうね」


 ジュリーが手をパンと叩き気を引き締め直す。


 ダンジョンは何が起こるかわからないから、油断は禁物だ。


 だが、常時気を張っていると疲れるので適度な息抜きも必要ですある。


 これが意外と難しく、出来るかどうかで上のランクに行けるかが決まると言っても過言ではない。




 その後も出会う低ランクの魔物を鎧袖一触で倒して行く。



 そして僅か数時間で3階層まで到達した。


「よし!良い感じだね!今日はここまでにして明日は次の階層に挑戦するよ!」


「わかりました」


 転移結晶に触れて地上へと戻る。



 少しお腹が空いていたので、串焼きの屋台に行き人数分購入する。


「どうぞ」


「悪いね」


 味付けはシンプルな塩だけだが、噛むと肉汁がジュワっと出て来て美味い!


「じゃあ、朝も同じ時間に此処に集合で良いかい?」


「ええ、大丈夫です」


 そう言ってビルナ達と別れて宿に戻る。


「さて二人はどうだった?」


「問題ないっスね」


「………」


「そうか、なら次の階層も大丈夫だな」


 二人に確認を取ると頷く。


「なら明日に備えて今日は休むとするかな」


 そう言ってユウマはベットに横になる。


 他の二人は自由にする様に言う。


 暫くすると眠気がやって来た。

 やはり初めてのダンジョンと言うことで、無駄に緊張して疲れていたらしい。


 そのまま睡魔に任せて寝る。

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