12話
「は、はい!わかりました」
「えっと、此方にいらっしゃいます。ユウマさんが先ほど冒険者登録に来ましてそれで書類を書いて貰いましてその・・書いて貰って見たんですがえっと・・・」
リリアはどう言えば良いのか迷い言葉を濁した。
それを見かねたグンナイは優しく「焦らなくても大丈夫です。落ち着いてお話しください」
「は、はい。ありがとうございます」
漸く整理がついたのかリリアは意を決して言葉を発した。
「実は此方のユウマさんの自己申告の職業が見た事もない、未知の職業でしてそれでえっとあの様に騒いでしまいました。申し訳御座いません」
リリアは深々と頭を下げた。
それを聞きたグンナイとクレミールは最初何言ってんだ?って顔をして次第に理解して隣のカーシャに顔を向けた。
その意味を理解したカーシャは「はい、私も確認しました。間違い御座いません」
「ではちゃんと確認したと?真偽の玉で?」
その言葉を聞いたカーシャとリリアはあっ忘れてたって、顔になりついで顔を青くさせた。
その反応をみたグンナイは顔に手を当て天井を仰いだ。
クレミールは呆れ顔を作り溜息をはいた。
グンナイは気を持ち直し「えっと貴方は真偽の玉で確認していないと?」
二人はその言葉に頷きついでソファから立ち上がり土下座した。
ユウマはその光景にあっこっちにも土下座があるんだと変なところに感心していた。
隣のロベルトは未知の職業と聞いたからか驚いていた。
ここ数十年、この大陸では新職業は発見されていなく、ついこの間希少職業持ちが新たに現れただけでお祭り騒ぎになった程だ。
それほど新たな職業はこの大陸の人々にとっては特別な事でその職業の有能性に、よっては人類の生活圏の拡大にも繋がったりするほどだ。
その為各国は希少な職業持ちや有力なもの達を囲って自国の強化に当たっている。
「貴方達は驚いたのはわかりますがちゃんと確認しないといけないでしょうが!はぁユウマさん申し訳御座いません」
そうグンナイは此方に頭を下げた。
そしてクレミールは二人を冷ややかな目でみて一言「二人とも3ヶ月減給処分」と告げ告げられた二人は絶望した様な顔になり肩を落とした,
ユウマは、少し可哀想だなと思ったが口には出さなかった。
実際二人は確認を怠ったのは悪く最悪ギルド職員をクビになっていた。
何故かと言うとギルドの信用問題に発展するからだ。
国が新たな職業持ちをスカウトしに来るのは確実でもし、その者の職業が違った場合もしその者が冒険者になりギルドカードを発行してた場合に保障したギルドに責任が及ぶ為だ。
その為二人はあの時叫んで狼狽えたのはある意味運が良かったと言えるだろう。
もしあの時あそこまで騒がなければグンナイは来なくリリアは新人だし、カーシャは驚き半ば思考停止状態だったのであのまま確認せずギルドカードを発行していた可能性は大いにある為だ。
クレミールは溜息をつきながらユウマに体を向けて「ユウマさん申し訳御座いませんが、真偽の玉で確認をさせてもらいますが構いませんね?」それは確認と、いうより嘘だった場合わかってますよねと無言の圧力が伴っていた。
ユウマは別にやましいことはないので二つ返事をした。「ええ、勿論構いません」
「クレミールすまないが頼んで良いか?私は少しこの二人と話があるので」そう言うグンナイは顔は笑顔だったが目が笑ってなかった。
クレミールはこんな時のグンナイには極力関わりたくないのか「わかりました、ではつい来て下さい」と言い足早に部屋を出て行った。
ユウマとロベルトはそれに続いて素早く部屋を出た。
暫く進むと先ほどの部屋から悲鳴が聞こえたが、ユウマも流石に関わりたくないのか、聞こえないふりをした。
ちらりと隣のロベルトを見ると彼は何やら思考に耽っていた。
暫く進むと階段があり降りまた、暫く進むと黒塗りの扉がありその上にプレートがあり真偽の部屋と書かれていた。
中に入ると透明な玉が置いてありクレミールが「私が質問するので、はいかいいえで答えて下さいもし偽りを言えば玉が黒く曇り正しければ白く輝きますのでご了承下さい」
「では玉に手を置いてください」
ユウマは黙って手を置いた。
ロベルトはその光景を後ろから眺めていた。
「では貴方の職業は此方に書かれているもので間違いは御座いませんか?」
クレミールはユウマが書いた紙を見せて質問してきた。
そしてユウマは「はい」と答えた。




