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ゴーレム使い  作者: 灰色 人生
第3章〜領地開拓・勇者来訪編〜
124/250

105話〜縁の下の力持ち〜

暫く間が空きました。


また空くと思いますがよろしくお願いします。

 訓練場では、各部隊毎に分かれて訓練を行う。



 週に一度の頻度で全隊訓練もするらしいが、今日は違うらしい。



「さて、先ずクヴァルムは見学して全体の流れを掴んで欲しい。ビット。クヴァルムの横について詳しく解説してやれ」


 ホルセにそう言われたクヴァルムは、頷き観覧席となっている場所に移動する。


「了解っス」


 ビットもホルセに敬礼してクヴァルムの後に続く。




 観覧席は訓練場全体を、見渡せる場所にある。



 それから暫くして始まった、訓練を真剣に眺める。


 時々ビットが、注釈などを入れて丁寧に陣形の変化のタイミングや、その効果的な使い方を教えてくれる。



 四時間ほど訓練は続いた。


 もちろん小休止も挟んで居る。





 ■■■





 クヴァルムが訓練を見学して居る頃のバトランタでは。



 アールが陣頭指揮を執り、着々と領地開発は進んで居た。



 当初の予定よりもだいぶ計画は前倒しと、順調に進んで居た。



 やはり作業員の殆どが、疲れ知らずのゴーレムの手による物だからだろう。



 細かい点はプロである、王都や近郊から呼び寄せた大工や、その専門家達が手掛ける。



 広大な未開拓地のバトランタだが、見る間に切り拓いて開拓して行く。



 開拓地と未開拓地の境目には、幅3メートル、深さ5メートルの堀を作り、其処から出た土で土塁を築き上げ野生動物や、魔物の侵入を拒む即席の防衛陣地が築かれた。



 効果は意外なほど高く、しかも安上がりで出来るので、領地全域の境目に築かれた。



 更に土塁の石壁化工事と合わせて、周辺の町や村落の開発も順次進めて行く。



 領内の整地は全て片付き、更に広大な領地の各所には、小規模ながらも複数の砦の建設にも着手して居る。


 大きな砦を中心に、小規模な砦を網目状に配置して行く予定だ。



 これにより領内全域に、監視の目を行き渡らせる。



 バトランタ騎士爵領はとても広大である。


 他にも多くの町や農村を各所に作り、効率良く農作物などが、運搬できる輸送網を整える必要がある。



 その為にもバトランタの領都のイデアルそして、そのイデアルの後ろのメディウム湖に浮かぶ島にして、クヴァルムの居城となるクレアシオンを基点にした、蜘蛛(くも)の巣状の道路網建設を推進しなければならない。



 道幅を広くして、悪天候時にもぬかるみにくいように、石畳による舗装と道の両脇に排水溝も作る。


 更に町や村などの丁度中間地点や、道の交差する場所に宿場町を設けて、馬の厩舎などを作り其処で馬を交代して素早く、領内全域に緊急の報せを届けたりする通信網も作る。



 魔道具の中に通信機があるが、高価であまり出回って居ないので、数を揃えるのも大変だからだ。



 それに普段は商人に貸し出したりして、物の循環を早める予定だ。



 更に大河の近くに中・小規模の船用の港も領内に十箇所以上建設予定である。



 農業用の用水路の整備と井戸も、もっと必要であろう。



 更に山脈近くに住む、蛮族も近いうちに討伐併呑する予定のために、山脈近くに多数の小規模な砦を建てて監視をする。



 後は、製糖事業の立ち上げもある。


 良質な天然のサトウキビ畑を発見したのである。


 更に山脈の一部に塩が採取出来る事がわかった。




 後は鉱山開発ま重要な産業だ、


 鉱山技師の特性を持つゴーレムもいる事だし、早速開発に取り組む。


 採掘と精錬を行う人材は、鉱山の廃坑で出た失業者をスカウトすれば良い。


 精錬は出来ずともゴーレムでも採掘ならある程度は出来るので、採算は十分取れる。



 数年も経てば、この地はオルトメルガ王国一の領地になって居る事だろう。


 十数年も経てば王都の人口を抜く可能性もある。



 だが、その前にこの地を奪わんと隣国のラーバント帝国が攻め寄せて来る可能性も十分にある。



 ゴーレム兵以外の、領民から募集を募り作ったバトランタ領軍も訓練を経て順調に成長して居る。


 だが、いかんせん人口がまだ圧倒的に少ない。


 其処も追い追い各地から領民を募集しなければならない。


 今も細々とだが移民は増えて来て居る。


 各地のスラムの住民が中心に集まり出して居る。


 治安維持もその影響で毎日出動しているが、騒ぎはまだ当分続きそうだ。



 勿論怪しい人物は諜報部隊が弾いている。



 今の所防諜は完璧だ。



 アールは自分の主人がこの地に帰って来るまでに、立派な領地へとして見せると意気込み。陣頭指揮続ける。




 ■■■



 アールがバトランタで頑張っている頃、カーティル達隠密部隊は、その諜報網を他国にまで広げ、ルパメント聖王国にまで着手する迄に至った。



 だが、思って居たよりも警戒網が強く内部に侵入するのは困難であった。


 それと言うのも国民の99%はルパメント教の信者であるからだ。



 その為に信者になりきるのは、かなり困難である、



 ルパメント聖王国は国民自体を防諜の一部にして居る、案外(したた)かな国である。



 なので先ずは、ルパメント聖王国周辺各国の情報を集めて、ルパメント聖王国の実態を探ることにして見た。



 すると判明したのは、ルパメント教の信者が、密偵の様な役割を担って居たのだ。


 しかも彼ら信者にはその自覚が無いので、これまで気付かれる事はなかった。


 教会が信者の声を聞き、その声の中から何気ない情報を繋ぎ合わせて、一つの真実へと導いて居るのだ。


 ルパメント教の信者は、大陸中央部に根強く存在して居る。


 大陸中央部以外にも居る事から、思った以上にその手は広い様だ。



 これは思った以上に大変な仕事になりそうだ。





 ■■■


 宿で待機を命じられて居るリーゼは、冒険者に扮して人脈を広げて居た。


 王都でも著名な冒険者達と、時にはパーティーを組んだりして仲を深めて居た。



 いざという時に必要そうな人材を集める為だ。



 依頼で幾つかの貴族とも会い、クヴァルムの後ろ盾になりそうな人材を選ぶ。


 更に変装の魔道具で、ユウマに扮して彼の功績も上げておく。




 ■■■


 クヴァルムがこうしている間にも、三者はクヴァルムに必要な事を全て代わりにしてくれている。

ここまでお読みくださりありがとうございます。


他にも作品は幾つか載せて居ますので、興味があれば暇つぶしにご覧下さい。


次回は11月11日投稿です。(11/10記載)

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