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ゴーレム使い  作者: 灰色 人生
第3章〜領地開拓・勇者来訪編〜
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幕間〜王都出張組・終〜

 対軍演習実地3日前に予め伝えられた通り冒険者ギルドで対軍演習がある日の王都の治安維持依頼が貼り出された。



 ランク毎に巡回などをする担当区域は違うが、報酬も良く王国のお偉いさん方と人脈(コネ)を作れるチャンスとあり冒険者が殺到した。



 通常の3倍者人達が一斉に王都に集まる事になり王国は普段の王都の衛兵に加えて国軍も動員した。


 更に他国の間者や暗殺者などを警戒してその防衛、防諜の一番にそう行った事に長けた冒険者を当てる事を決定した為にギルドの仕事は倍に増え、当初の予定よりも大幅にギルド職員一人当たりの仕事量は増加した。



 更に冒険者同士の諍いなども発生した為にとてもでは無いがギルド本部の人員だけでは手が足りないと考えた本部のギルド長の判断により更に近場のギルド支部から臨時で職員の増員を決定し、この混乱を収めた。


「せ、先輩〜。やばいですよ。まさか対軍演習実地の3日前でこの忙しさですよ。当日はこれよりも更に人が増えるって何なんですか!」と悲鳴をあげるリリア。



 それに疲れ切った表情を浮かべながらカーシャは「知らないわよ!それにリリア貴女の方が私よりも体力は多いんだから。私は絶対途中で過労で倒れそうよ」


「ぶぅ〜。そんなの人種差別的な発言ですよ。確かに私達獣人の方が他の人達よりも基礎体力は高いですけど、私達は本能で生きてる部分もあるのでこう言った書類仕事は不得手なんです」


「別に人種差別的な発言はして無いじゃ無い」


「あれ?そう言えばそうですね。すいません先輩」


 どうやら疲れ過ぎて少しネガティヴになっている様だ。



「とりあえず。これを仕上げたら本日の仕事は終わりよ。貴女も早く終わらせて明日に備えて早めに寝なさいね」


 カーシャは書類にペンを走らせながらリリアと雑談していたが、リリアの手は完全に止まっていた。



 慌ててリリアも書類仕事に戻る。




 そうやって仕事に追われていると、あっと言う間に対軍演習の実地日が訪れた。



 この前の三日間は地獄の様な忙しさだったが、対軍演習の当日は更に人が集まりその分問題も発生して、その対処にギルド職員はてんてこ舞いだ。



 更に間の悪い事に、国軍や騎士団の多くが王都に集まった事で王都周辺の治安は上がったが、その分地方が手薄になり更に多数の冒険者も王都に集まった事によりオルトメルガ王国各地のギルド支部から、魔物や盗賊の討伐の為に冒険者を回して欲しいとの陳情が舞い込み更に忙しさを加速させて行く。



 そうやって各地の問題にも対処しながら漸く一息つける程に落ち着いた。



「し、死ぬかと思いましたね。先輩」


 机にぐでんと上半身を乗せながらリリアは力無くカーシャに尋ねる。


「ええ、本当に何度倒れそうになった事か……何人かの職員は実際に倒れたそうよ」



「本当ですか?………まあ、無理もありませんね」



「本当にね。……はぁ、そろそろ休憩時間も終わりよ」


 リリアは室内に立て掛けられた、自動時計を見る。


 流石はギルド本部だけあり、魔道具である自動時計は、各部屋に備え付けられている。




「……行きなくない………」


「そんな事言っても仕方ないわよ。ほら行くわよ」


 半ば引き摺る様に、カーシャはリリアを連れて部屋を出る。




 それから数日後。



「皆さん!本当にお疲れ様でした!無事対軍演習は終わりました!そして明日からは通常業務に戻ります!ローテーションして休暇は順次割り当てて行きます!では、堅苦しい挨拶などは抜きにして、乾杯!」


 主任の音頭に揃って他の者達も乾杯する。


「「「「乾杯!!!」」」」



 その後は飲めや歌えやの大宴会になった。



「先輩〜。飲んでますか〜?」


「ええ、飲んでるわよ。それにしてもリリアは少し飲み過ぎじゃないかしら?」


「ええ!?何言ってるんですか、先輩!まだまだ序の口ですよ。あと、軽く樽は6樽行けますよ」


「はぁ、相変わらずの酒豪ね。まぁ、良いわ。楽しんできなさい」



「はぁ〜い」


 気分良さげにリリアは、ワインが置かれているテーブルに向かう。



「お疲れ様です。カーシャ」


 後ろから声を掛けられて振り向くと、そこにはグンナイが立って居た。


「あっ、お疲れ様です。グンナイさん」


「何とか乗り越えられましたね」


「はい。そうですね」


「聞きましたか?倒れた職員の中に我々ウラカ組は居なかったそうですよ?」


「そうなんですか?」


「ええ、まあ、ウラカ支部も大きい方ですしね」


「はい。そうですね」


 その後は軽く世間話をして、グンナイは他の職員に呼ばれたので離れて行く。



 カーシャは静かに一人でワイングラスを傾けながら、静かにその夜は過ごした。



 運が良いことに、カーシャとリリアは翌日から特別休暇が貰え、特別手当もありそれを軍資金に再びセバーメル商会へと訪れた。



 だが、残念な事に殆どの洋服が売れて、在庫も切れて居り、入荷には最低でも二週間は掛かるそうだ。



 この世界、洋服は高価で新品となれば尚更だ。


 だが、それでも殆どの品が完売する程に、セバーメル商会は超人気店である。





 それから一ヶ月半後この王都に勇者一行が、来る事が告知され、再びあの地獄の様な忙しさに見舞われる可能性が、浮上してその知らせを聞いた職員の実に3割が白眼をむいて卒倒した様だ。



 その中にカーシャやリリアが含まれて居たとか居ないとか。

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