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ゴーレム使い  作者: 灰色 人生
第3章〜領地開拓・勇者来訪編〜

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92話〜順調な滑り出し〜

 翌朝クヴァルムが目を覚ますとそれを見計らったかの様に完璧なタイミングでシフォニーが入室して来る。


「失礼致します。おはようございます主様」と挨拶をして来るのでこちらも挨拶を返す。


「ああ、おはよう。顔を洗いたいので「既にご用意して居ます」」と言い切る前に答えが返って来る。


 流石は優秀な使用人型魔導人形だと感心しながら用意された洗面台で顔を洗う。


 まだ朝は肌寒く冷えた水で目が完全に覚める。



 シフォニーに差し出されたタオルで顔を拭く。


 その後用意された朝食を食べているとアールとリーゼがやって来た。



「「おはようございます。主様」」


「ああ、おはよう。寝ている間に何も異常は無かったか?」と質問すると代表してアールが答えた。



「はい。何も問題はありませんでした。現在バトランタ領内のこの地を起点にした魔物の除去作業は順調に進んでおります。有能そうな魔物も既に十数匹確保しておりますので後で使役をお願いします」


「わかった」



「それとこちらはメディウム湖の水質調査と棲息する生き物の調査報告書です」



「ふむ。メディウム湖の水は飲む事が可能な程に澄んで居るのか、それに魚も豊富だな」と調査報告書を読んで行く。



 調査報告書を読み終わる頃には朝食を食べ終わり服装を着替える。



 今回は革鎧と軽装に身を包む。


 自身のでの戦闘をする予定は今の所無いのでこれで十分だ。


 アールに案内されて捕らえた魔物の居る場所に行く。



 魔物達は檻の中に入れられその上で全身を鎖で縛り付けられて居る。


 憎しみの篭った目でこちらを射抜くように睨んで来るが使役を使えばこちらに忠誠を誓う従順な下僕へと変わる。


 使役のレベルも上がったお陰でそろそろ人間にも使役が使えそうなレベルになった。


 盗賊や犯罪者が現れたら捕まえて使用して見ようと思う。



 そうして居るとリーゼがやって来て「主様。アイラ商会の者達が資材などを積んでやって来ました」と報告する。


 クヴァルムは王都を出る前にアイラ商会の王都本店に顔を出して会頭であるロベルト・ブルーノと面会した。



 そして正体を明かして協力してくれる様に頼んだ。


 勿論相応の利益を提示したのでロベルトも承諾してくれてクヴァルムの正体がユウマだと言うことも家族にも話さないと約束して誓約書まで作ってくれた。



 これにより新領地バトランタに足りない資材や食料品などを定期的に運んでくれる。


 代わりに此方は討伐した魔物を渡す。



 さらにロベルトは五大ギルドの一つ商業ギルドの幹部でもある評議員のメンバーの一員だ。


 冒険者ギルドは魔物の討伐により確固たる地位を築き上げ大陸中に支部を増設して魔物の討伐やそれ以外の薬草採取なども請け負い何でも屋みたいに多岐に渡り活躍の場を広げた。



 商業ギルドは商人が寄り集まり自分達の権益を貴族達から守る為に発足して今では一国の保有資産を凌駕する程の資産があると言われている。

 そして商業ギルドの本部がある商業都市にはここで揃わない物は無い。と豪語する程大陸中から物が集まり盛況している。



 傭兵ギルドは大陸が戦乱に包まれて行く中生まれた組織だ。

 腕っ節は強いが貴族でもない農民の小倅などが集まり自分の腕を貴族達に売ることで生計を立てて居たが不当に扱われたり報酬が払われなかったりした事によりその不当な事から自分達の地位を確立する為に生まれた組織が傭兵ギルドだ。

 今では一国の保有兵力に匹敵いや、凌駕する程の傭兵が所属している為に契約に則りちゃんと報酬が払われている。


 鍛治師は武器は勿論生活必需品の製作も行なって居る為にその影響力が広がり、他の五大ギルドと同じく国に匹敵する程の影響力を持つ様になった。



 魔術師ギルドは新たな魔法の開発や魔道具の研究機関として発足してその過程で学術都市と呼ばれる都市が出来その都市には学校と呼ばれる教育機関が建てられてその学校に様々な国々から知恵者が集まりその教えを受ける為に各国から留学生が訪れる様になり国の高官の実に8割がこの学術都市の出身と言えるほどになり各国に影響力を持つ様になった。



 そしてそんな影響力を持つ商業ギルドの評議員に居るロベルトは国で言うところの大臣に近いポジションでもある。




 そんな商業ギルドの幹部であるロベルトの口利きで近々他の商人達も様々な物を持って行商人らが来てくれる予定だ。



 アイラ商会の者達の元へと行く。



 そこには小綺麗な格好をした恰幅の良い壮年の男とその部下達が居た。



「お待たせした。私がこのバトランタの領主であるクヴァルム・バトランタ・フォン・ドゥーエと申す。以後よろしく頼む」と挨拶する。


「これはドゥーエ卿お初にお目にかかります。アイラ商会ノックヤード(バトランタから一番近い位置にある子爵領の領都)支部所属のモルモンと申します」と丁寧に挨拶して来る。



「遠路遥々よく来てくれた。あちらに席を設けているので一服してから商談と行こうか」と天幕の中にテーブルと簡素な椅子だけを用意した場所に促す。



 その後茶を飲みながらモルモンから出された目録を見る。



「どうでしょうか?ご要望通りの物を御用意致しました」


「うむ。これで良い。では支払いは魔物の素材でいいな?」


「はい。それで問題は御座いません。後ほど資材分を抜いた金額をお持ちします」



 商談と言うよりはどちらかと確認作業の意味合いが強い。


 すでにロベルトとある程度調整して派遣される商人と最終確認をする程度だ。



 そして資材と魔物の素材と物々交換して街で売り捌いて貰い資材の費用を抜いた金額を後で手渡される予定だ。


 一応監視を付けておく。



「では、また頼む」とモルモンと握手を交わして和かに別れる。



 モルモン達は荷馬車に積めるだけ魔物の素材を積載して元来た道を戻る。



 その荷馬車の一行を見ながら「後で道も整備しないと駄目だな」とクヴァルムは呟いた。



 既にゴーレム兵の活躍によりメディウム湖周辺と四つの村の周辺の安全は確保されて居る。


 今は狩ったトレントを主軸にして湖の周りに家を建てて居る。


 そして湖のほぼ中央にある島にトレントの木材を用いた橋を架けて居る最中で工程の八割方進んで居る。


 明日には鍛治師ギルドに依頼した職人が沢山やって来る予定だ。


 その為に急ピッチでトリエラ男爵領の領境までの街道を整備しようと思う。


 支配下に置いた巨大種であるトロールやサイクロプスを使役してトリエラ男爵領までの道を平らにして行く。


 もちろんゴーレム兵を付けて此方の指揮下にある事もちゃんとアピールする。


 トロールやサイクロプスが通って平らにした道に疲れを知らないスケルトンなどを使役して板石を敷いて石畳の道にして行く。



 職人の安全を確保する為に四つの村を含んだメディウム湖の周りにトレントの木材を使用した簡易(クヴァルムの感覚で)の木壁高さ5m厚み1mを作りその前に深さ3m幅2mの堀も作って行く。


 空堀だと雨が降ると水が溜まりそこ虫が湧く可能性が高いので後でメディウム湖の水を入れてその水が近くの川にまで地下に路を作り循環する様にする。



 これで冬でも水堀の水が凍るのを防ぐ事が出来るだろう。




 これで第一段階の工程は済んだ。


 後の作業は職人がやって来てからだ。


 だがその前に職人達が寝泊まりする小屋を幾つか作って行く。


 簡易の小屋が幾つか出来上がった所で作業を終えてゴーレム兵は領地の巡回をしてもらう。



 未帰還のゴーレム兵は既にカーティル達が回収しており鍛治師型魔導人形が既に修理をして居る。


 修理が完了次第新たな防具と武器を手に巡回に加わって行く。



 こうして下準備は順調な滑り出しを見せて行く。





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