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ゴーレム使い  作者: 灰色 人生
第3章〜領地開拓・勇者来訪編〜
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91話〜バトランタ到着〜

 漸く新領地のバトランタにユウマ(クヴァルム)達一行は到着した。



 カーティルからの情報通り本当に何も無いところだ。



 村は僅かに四つでその四つの村の総人口は僅か300人足らずだ。



 土壌は肥えて良いがそれを耕す村人の数は足りないし仮に人数が居て耕そうにも村の柵の外には魔物が蔓延り時折山の方からは蛮族が降りてきて食料を強奪して行くそうだ。


 幸い食料を渡せば大人しく引き返してくれるので死者は出て居ないのが救いだが食料不足に陥りそれで森に食料になる動物を狩人が狩に行きその過程で魔物に襲われて亡くなったりするので決して良くも無く寧ろ悪いだろう。



 そんな村々を周り新たに領主に就任した事を告知して村に警備兵てして100体のゴーレムの内20体ずつをそれぞれの村の警護に当てた。


 更に炊き出しを行い領民達の好感度を上げる。


 彼らは警備兵を置いたり炊き出しなどの食糧支援をしてもらいクヴァルムに感謝して素直に指示に従う様になってくれた。


 残ったゴーレム兵は僅かに20体だが問題は無い。



 何故ならば増やせば良いからだ。




 荷馬車から王都で買い占める様に買い漁ったゴーレムを1000体下ろす。



 ゴーレムは単純な命令しか聞かずに力加減もいい加減(高級品は力加減の調整は完璧)の為に殆どが売れ残っている。


 ゴーレムは開拓用や戦闘用に製造されたが開拓では当初は役に立ったが魔物に襲われるとその脆弱性が露わになり次第に費用がかさむので町の中の土木建築の現場で活用される様になった。


 そして戦闘用は一体を作るのに費用が嵩みすぎるので金持ちがその財力を見せつける意味を込めての警備兵としてしか活用法がなくなりつつある。


 勿論現在でも研究して高性能なゴーレムは出来たが量産には至って居ない。



 その為にゴーレムはあまり売れて居なかった為に大量に手に入った。



 費用対効果からそれほど無かったが王都中から集めたので十分に当初予定していた数は確保出来た。



 そしてバトランタまでの道中魔導人形の手を借りながら魔改造を施したゴーレムは流石に古代魔法文明時代の魔導機兵(マギア・ゴーレム)には劣るがこの時代としては最高峰のゴーレムが出来上がった。



 更に複雑な命令系統は召喚したレイスを憑依させる事で解決した。



 鎧甲冑は全て錬金術師(アルケミスト)機工士(エンジニア)を併用して作製したので問題は無い。


 早速1020体のゴーレム兵に対してクヴァルムは命じた。



「この領地に巣食う魔物を狩り尽くせ!有能な魔物は捕らえ連れて来い!」と二つだけ命令した。



 ゴーレム兵1020体は複数体ずつ散開しバトランタ領の魔物を狩りに出発した。



 監督役の魔導人形も複数体召喚して散らせる。



 その間クヴァルムは何処に居住を構えるか考える。



 色々と候補地をカーティル達が調べてくれているのでそこまで苦労はしないが20も候補地があるので全て見て回る事にする。


 護衛の兵は魔導機兵にした。


 今まで使用して来なかったので性能を見る為でもある。


 数は10体だけだ。



 だが性能は断然にこちらの方が優れているのであまり心配はして居ない。



 それから四時間掛けて全ての候補地を馬に乗り回った。




 クヴァルムは本拠地を構える場所を決めた。


 それは四つの村の中心地にある巨大湖のある近くだ。



 湖は村人からは四つの村の中心地にあるからと中央湖と呼ばれている。


 湖の真ん中には島があるので其処に砦を構えて湖を中心地に街を作って行く予定だ。



 そしてこの四時間の間にゴーレム兵は多種多様な魔物を捕獲して来てくれたのでその魔物を使役を使い支配下に置く。



 そして支配している証として首に簡易の首輪をつける。


 こうして周りから支配しているかしていないか一目瞭然にする為にだ。


 東側の森には沢山のトレント種がいたのでこれを積極的にゴーレム兵に狩らせる。


 トレントは良質な木材として需要があるのだ。



 特性として普通の木は伐採後一冬山に寝かせ無いと行けなくなる。


 理由としては木の中の余分な水分や灰汁(アク)を抜く為だ。



 だがトレント種はその様な行程が不要ですぐに木材として使用する事が出来る他に、丈夫でしなやか更に火に強く中々燃えにくい為にただの火矢を射かけられてもある程度の数を撃ち込まないと燃えない。



 更に魔法耐性がありある程度の魔法なら無効化するという特性がある。



 その為にトレントの木材は高値で取引されている。


 更にトレントは擬態が得意で周りの木と同化している為に発見は困難であり木である為に痛みを感じず魔石を壊さない限り活動し続ける為に討伐難易度も高い為に中々数が集まらない。



 その為にトレントの木材を使用した普通の民家の家を一軒建てるだけで豪邸が建つと言われるぐらいだ。



 だが此処バトランタは辺境であるが故に沢山のトレントが居りそれも一種だけでなく様々な種のトレントが生息して居り木材には困らない。



 そしてその伐採したトレントを力自慢の使役した魔物に中央湖に運ばせる。



「それにしてもこれから本拠地となる場所の湖が中央湖と言うのもあれだな。何か良い名前はないか?」と近くのアールとリーゼそれにシフォニーに尋ねる。



 先ずはアールが候補を挙げる。


「そうですね。イデアルは如何でしょうか?意味は理想や理想的と言う意味で此処を我々の理想的な場所に発展させると言う意味を込めて如何でしょうか?」とアールが告げる。


 次に候補を挙げたのはリーゼだ。


「クレアシオンは如何でしょうか?この世の始まりと言う意味で我々にとっては始まりとなる地でもあると思いますので」とリーゼが告げる。



 最後に候補を挙げたのはシフォニーだ。



「私は普通にメディウムで中心と言う意味でいいかと。中央湖と言う言い方とあまり変わりませんが、このバトランタの中心になる場所ですからシンプルで良いかと」とシフォニーは控えめに告げる。



「うん。皆意見ありがとう。どれも良いとおもうので三つ全て採用しよう」とアール、リーゼ、シフォニー三人の案を全て採用する事にした。



「先ずこの巨大湖はシフォニーのメディウムを使用してメディウム湖と名付けよう。次にメディウム湖の周りに作る町の名をアールのイデアルにして最後のリーゼのクレアシオンを湖の中にある島に建設する砦の名にしようと思うが如何だろうか?」と三人に聞くと三人とも賛成したのでこれに決定した。




 そうこうしているうちに陽が落ちて来たので野営の準備を始める。



 簡易の天幕作って行く。



 そして全てのゴーレム兵を一旦此処に集める。


 修理と点検の為だ。


 その為に鍛治師型魔導人形も50体新たに召喚して専用の作業台を設置して行く。


 全ての作業が終わる頃になるとゴーレム兵が次々と帰還して来た。



 送り出した1020体の内戻って来たのが864体で未帰還が156体だ。



 やはり被害は出るかこればかりは仕方がないと割り切る。


 後でカーティル達に未帰還のゴーレム兵の回収を指示しておく必要があるな。



 点検と修理が終わったゴーレム兵から複数体ずつチームに分かれて決められたポイントを巡回させて行く。



 ゴーレム兵の活躍と犠牲によりかなりの数の魔物を使役する事が出来たのでスキルレベルも上がっている。



 更にゴーレム兵を使役で使用しているからか僅かだがゴーレム兵が魔物を倒す事に経験値つまりその魔物の存在力をクヴァルム(ユウマ)が吸収してレベルも上がって行っている。




 ポイントの割り振りや野営地警護プランをアールとリーゼに任せて今日は疲れたのでシフォニーを伴い自分の天幕へと入る。



 寝る前にシフォニーが淹れてくれた紅茶を飲み一日の疲れを癒す。



 その後簡易のシャワールームを作ったのでシャワーを浴びて就寝する事にする。



「では、シフォニー今日はもう休むとするよ。後のことは任せた」


「畏まりました。では失礼致します」と頭を下げてシフォニーは天幕から退出する。



 それを見送った後クヴァルムは簡易のベットに横になり就寝した。

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