表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゴーレム使い  作者: 灰色 人生
第3章〜領地開拓・勇者来訪編〜
105/250

90話〜新領地バトランタへ向けて〜

本当はもう少し早くに投稿する予定でしたが、風邪を引いてしまい遅れました。



皆さんも風邪にはお気をつけを


 バトランタは王都から馬を使い約3週間の距離にある。



 一応騎士爵をもらい領地貴族へとなった為にバトランタまでの行く道の貴族へと挨拶をしながら向かうのでバトランタに着くのは倍の6週間か早くて5週間だ。


 朗報があるとすればウラカの領主であるニコライ・ガルム・フォン・ルーセント辺境伯と同じ東部貴族に分類される為に王都で挨拶をした時に何かあれば助けてくれるとは口約束ではあるがして来れた事だ。


 それにルーセント辺境伯は第三王女であるシャルロット殿下を悪く思ってなく寧ろ好ましいと思っている人物の一人の為にそこまで無理難題を押し付けたりはしないだろう。


 後は東部の盟主的な立ち位置にいる【王権派】のブライビレー侯爵の為人次第だ。


 王権派に属していると言ってもそれは国王に忠誠を誓っているからであって王位継承争いには中立の立場を取る人物だ。



 その為にシャルロット殿下以外の継承者はブライビレー侯爵に何かとアプローチをかけているとカーティルからの報告者に記載されていた。



 それから数週間をかけて各地の領地貴族に面会して顔を繋ぎながら最後になるバトランタ領の隣領を治めるトリエラ男爵の領地に到着した。




 ◆◆◆◆◆

 トリエラ男爵領までは気苦労や肉体的な疲労の連続だった。


 一番の問題は王都から離れて行くほど街道の整備は杜撰になり大きな都市も減り規模も大都市→都市→街→町→大村→村と小さくなって行く。


 そしてバトランタの隣領の男爵の本拠地である町を通り過ぎれば後は田舎の何処にでもある村ばかりだ。



 それに此処まで来れば街道も石畳みで舗装された道では無くただ単に人々が通る事に出来て踏み固められた道だ。


 その為に凹凸が激しく荷馬車を進ませるのに苦労した。


 一応トリエラ男爵の本拠地である町トリエラの周りの村へと通じる道は整備されているがそれ以外はされておらず進むのに苦労した。


 2番目は宿の確保だ。


 黒鴉騎士団員と荷馬車の御者はゴーレムの為に疲労しないがユウマは違う。


 それに彼らがゴーレムだとは明かしていない為に宿を取らねば不自然だし貴族が宿があるのに野宿など醜聞にもなる。


 それに地域活性化の一助として貴族は金を使うことを尊ぶ傾向にある。


 勿論やり過ぎや無駄に豪華な部屋に泊まる必要は無いが最低限のラインが存在する。



 一応それらについても優秀な諜報員であるカーティルが調べその事の注意点などが記載された資料のおかげで何とか恥をかかずに此処まで来られた。



 そして最後に会う事になるトリエラ男爵がある意味今までの道筋で会ってきたどの地方貴族よりも重要な相手だ。


 もう一人重要な相手であるブライビレー侯爵とは上手くいき手応えを感じたが隣領であり唯一地続きであるトリエラ男爵と仲が悪ければこれからの領地経営に深刻なダメージを受けるだろう。


 何故なら領地毎に関税がありバトランタ行きのに多額の関税を取られでもしてらやっていられない。


 今まではバトランタへは関所は無かったので作られでもしたら大変だ。



 まあ、作られたとしても良心的な値段で無くては商人が寄り付かなくなる。


 一応船を作れば大河を越えた先にある領主と取引出来るがそれはまだまだ先の話になる。



 今日は日が遅いので明日来訪する旨を伝える使者を派遣して村の空き家を借り受けて就寝する。


 勿論料金は払っている。


 まあ、金より食料の方が喜ばれたのでこの地域は報告書に記載された様に貧しいらしい。



 暮らしていけないことは無いが慎ましく暮らせてやっとの様だ。





 ◆◆◆◆◆

 -翌日-


 トリエラ男爵に挨拶に赴く。


 カーティルからの情報によるとトリエラ男爵は可もなく不可もない平凡な凡夫であるが、その子供達(息子二人に娘一人)のうち娘は聡明であるらしい。


 だが息子二人のうち長男は父と同じで平凡な凡夫だがまだ幼い次男は癇癪持ちの暴れん坊らしい。


 だが次男は今現在は王都の学校に通っているので居ないらしい。



 学校は10歳〜15歳までの五年制である。


 詳しい説明は此処では省く。




 村から馬を進ませて3時間後何事も無く無事にトリエラ町に到着した。



 予め先触れは出して居たので問題なく門をくぐりクヴァルムはアールと三体の騎士ゴーレムを伴いトリエラ男爵の屋敷へと向かう。



 他の者達には宿を取らせて待機する様に命じた。



 トリエラ男爵邸に着き応接室に案内される。


 護衛として伴って来た騎士ゴーレム三体は客間に待機させアールだけを伴い応接室に入る。


 中には茶髪黒眼の中肉中背の40代手前の仕立ての良い服を来た男性と彼に良く似た20代前半の青年と10代後半の利発そうな少女がソファに座っておりその後ろには禿頭の筋骨隆々な壮年の騎士服姿の男性が控えていた。


 多分この人物がトリエラ騎士団団長のラッシュ・ド・カリオン騎士団長だろう。


 その茶色の瞳で此方を見据えてくる。


 子供なら泣きそうなくらいに強面な顔をしている。


 だがカーティルの調査によるとラッシュは子供好きで自分の顔が怖い事で子供達から距離を取られている事に傷付いているらしいとの事だ。



 カーティルから齎された事前の調査報告書を思い出しながら相手の情報を頭に羅列して行く。


 トリエラ男爵に似た青年は確かトリエラ男爵家の嫡男であるヘイボーン・フォン・トリエラであった筈だ。


 父トリエラ男爵と同じ茶髪黒眼で細身の体型をしている。



 その隣に座る少女がトリエラ男爵の一人娘のカシラン・フォン・トリエラだろう。


 茶色の髪を腰のあたりまで伸ばして少しウェーブがかかっている。


 そして彼女の紫色の瞳からは確かな知性を感じさせる。



 3人にクヴァルムは挨拶をする。


「初めまして。この度隣にあるバトランタをガイゼル国王陛下から拝領致しましたクヴァルム・バトランタ・フォン・ドゥーエと申します以後お見知り置きを」と此処は貴族の礼をする。



 3人は立ち上がり「このトリエラを預かる男爵の地位にありますラッシュ・フォン・トリエラと申します。此方こそ以後宜しくお願いします」と丁寧に返される。


「そしてこの二人は私の息子と娘のヘイボーンにカシランです。お前達も挨拶なさい」


「初めまして。トリエラ男爵家嫡男でありますヘイボーン・フォン・トリエラです」と無難な挨拶をする。


「お初にお目にかかりますドゥーエ卿。トリエラ男爵家カシラン・フォン・トリエラと申します」と優雅に礼をする。



 その後他愛無い話をして本題の関税に着いては今まで通りにし関所だけは新たに建設する事に同意してこれまで曖昧だった領境に建てることにで合意した。



 そして交渉相手はトリエラ男爵だが随所で娘のカシランがトリエラ男爵に耳打ちしている事からやはりカシランがこの家のブレーンであると理解する。



 まあ、予め調べさせていたのでわかってはいたが実際に見るとこのカシランは商人の娘にでも生まれれば大成しただろうと思えた。




 トリエラ男爵領はど田舎もど田舎の辺境に位置する場所の為に近隣領主とは面識などはあるが、王都には特別な行事がない場合は滅多に行かないので無派閥と言っても良いだろう。


 辺境の地方貴族の殆どはこうした無派閥で近隣領主とだけ交流して居るのが殆どである。


 そのおかげで何のしがらみも無く領地開拓に専念できるのはありがたい。



 もし隣領が自分を此処に追いやった王派閥やそのほかの大派閥の関係者であれば何かと文句を付けて来る可能性もあった。


 近隣領主をカーティルに命じて調査させたが全員が全員此処らへんの近隣領主としか面識が殆ど無く障害になりそうな人物は今の所居ないとの情報だ。



 まあ、一応各地に情報員を配置して諜報網は出来上がりつつあるので何かあれば最低3日で自分の手元に情報が届けられる予定だ。



 この3日は一地方貴族が持つ情報伝達速度としては異常である。



 その為にこの速度とどの様にやってのけているかは極秘扱いに必然的になる。



 まあ、この方法を漏らしたりする部下の心配はない。



 何せ全てが自身で召喚した召喚獣と使い魔や魔導人形を使用しているので万が一捕獲されても召喚獣や使い魔は召喚元へ送還すれば良く魔導人形達は自爆プロトコルを発動して全ての証拠を隠滅する様に指示を出している。



 この様にこちらに辿り着く可能性は限りなく低くなっている。



 その後軽く話してトリエラ男爵邸をお暇した。



 さて後もう一息でバトランタだ。



 宿にいるリーゼ達を迎えに行き出発する。




 暫く進むと日が沈んで来たので野営をして明日の昼頃にバトランタに到着予定だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ