第一章 開校!!②
「ふーっ。よかった。おまえらじゃなくて」
「でしょ」
「んったく。ちょっとビビったよ、もう。おまえらだったらどうしようかと思った」
「大丈夫だって、あたしらそんなにバカじゃないし」
「ただな、今回のこの一件でオレたちもこうなる危険性が高い位置にいるってことはわかった。事実、この事件のことは、テレビで報道される前から…」
「知ってた」
「現場にいたやつもいるな」
「うん」
「だからよ、今後のおまえらをどうしよっかなと思って」
「どういうこと?」
「いや、ここまでうちにみんなが集まるようになったんだし、なんかできんじゃないかと思って」
「何が」
「世界を揺るがすことが」
「笑」
「いや、まあ、オレがおまえたちを野放しにしておくと心配でしょうがないから、囲いこんでおきたいってのもあるかもしんないけど」
「おぉ」
「ま、それと、これだけみんな、オレのこと救ってくれたんだから、その恩返しと」
「おぉ」
「見るか?これ☆」
「何?」
「マンガ」
「マンガ?」
オレは愛に一冊のマンガを見せた。
「女子高生と麻雀?」
「そう。女子高生と麻雀」
「女子高生が麻雀?」
「そう。女子高生が麻雀」
「もしかして…」
「あぁ」
「やるの?麻雀」
「あぁ。みんなでやるよ。麻雀。神様が言ってんだ。そう。そして、見ろよ。これ」
オレは彼女にパソコンの画面を見せた。
「何って書いてある?」
「…朝日高等学校…」
「そう。朝日が昇るまで。朝日が昇るように」
「….さん、のぼる?」
「意味は…、もうわかるな」
「ここが私立朝日高等学校で…」
「ここで麻雀をするってことだ!」
「笑。面白いね」
愛はこの日、オレが差し出したマンガを読んでから帰っていった。