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第2話 俺、話を聞く①

「聖龍?」


 俺がそう聞き返すと、リースレ……なんとかさん、リースでいいか。リースが頷いた。


『その通り。我は、そう、初代聖龍と言えばよかろう』


 なるほど。俺が知っている聖龍と随分違う龍の形だが、これも異世界での龍ということなのか。はたまた、もしかしたらあの龍は、こんなへんてこな龍が進化した状態なのかもしれない。


「さっき、話をしなければならない、と言っていたがあれはどういうことだ?」


『そうだな。君はまず、自覚しなければならない』


 何をだよ。

 そう思ったのが表情に出たのか、リースが続けて口を開いた。


『広大なる世界の命運を握る少女を守れるのは、特異点である君だけだと言うことをだ』


「はぁ、わけわかんねぇこと言うなよ。だいたい、世界の命運を握る少女って言うのはリステリアのことか?」


『名は知らぬが、君の最も身近にいる子がそうだ』


 リステリアが世界の命運を握ってる、だって?

 それはこいつが最初に言っていたじゃないか。超越種を殺すことができるのはマリなんとか様とリュウ様ってやつらの子孫だけだって。


「……リュウ様ってもしかして、初代龍王のことか?」


『そうだ』


 初代龍王の血を引く者。

 リステリアは龍王をしていたこともあるし、恐らく血を引いているのだろう。王族といえば、血筋が最も大切だからだ。


『そろそろ話を始めても良いか?』


 リースがこちらを伺うように聞いてきたので、少しの間をおいてから頷く。

 一応整理はした。これからの話を聞いてどうなるかわからないが、ゆっくり、と言っていたくらいだ。説明をちゃんとしてくれるはずだ。


『では、まず、我々の生い立ちから説明しよう。我ら初代七龍の生い立ちを』


 そうして、リースによる説明が始まった。


『我らは元々、人だった。龍、というものはなく、世界に在ったのは人と魔物、それから動物のみ。

 そして、我が王国の騎士団長を務め、マリアンヌ様のピクニックに同行した日、それは起きた。

 天から大量の光が降り注ぎ、我らはあまりの眩しさに目を瞑ってしまった。だが、光が収まった時に1人の少年がいたのだ。その方こそが、初代龍王であったリュウ様だ。

 リュウ様は意識がなく、緊急で城へ戻ることとなった。見た目、明らかに平民だったが、マリアンヌ様自ら看護することになり、リュウ様が目覚められた時に側に居たのも、マリアンヌ様だった。

 リュウ様はチキュウという呼ばれる国から来たらしいが、そのようなものは聞いたことがなく、一層我らは警戒した。

 しかし、リュウ様に魔力はない。

 それがわかると、一時期危険という理由で遠ざけれたマリアンヌ様も、リュウ様と共にいる時間が長くなった。リュウ様は何もできないことを嘆いていたが、当時の王国では魔道具を動かせなければ生活にも困るほどであった。

 そんな時だ。リュウ様が力を使ったのは。

 魔力を持たぬのに、力を使うという恐怖で王侯貴族らは揃って処刑すべしだと言い張った。元々、彼のお方はマリアンヌ様の側に突然現れたというだけで、死刑されてもおかしくなかったのだ。

 そこでまた助けたのが、マリアンヌ様だった。

 マリアンヌ様は自らもその力を使うことで、リュウ様を助け、更には国を出て行くと言ってしまった。我々は当然困った。

 当時、7人の護衛があの方達に付けられていたのだ。それが、後の初代七龍となる。

 我らは付いていくために、また、マリアンヌ様を敬愛する貴族も多く、総勢で数100〜数1000の人間が集うこととなり、全員がその力を扱えるようになるのだ。

 そして、危険とされていた王国の南を我らの国とすることとした。

 また、リュウ様のお名前をお借りし、力の名をリュウ様の言っていた「地脈」と掛け合わせて「龍脈」とすることとなった。

 それから時が流れ、一向に歳をとらないことに気付く。

 当然、慌てふためいたが、リュウ様は落ち着いていた。そんな時、突然リュウ様のお姿が変わった。チキュウではリュウと呼ばれている生物だったそうで、こんなものだ』


 そこで一旦区切りをつけたかと思えば、リースの体が見る見る内に大きくなっていく。その形は胴の長い、トカゲではない龍だ。

 驚きのあまり目を見開いていると、愉快そうに笑い声を上げた。


『ふはは、やはりこの姿は落ち着く。この姿こそが、我らの真の姿!』


 姿、変えれるのかよ。

 てっきり龍の形が時代で違うのかと思っていたが、違うらしい。姿は自由に変えられるそうだ。


『おっと、この姿をあまり長くしていると、流石に神に見つかってしまうからな。そろそろ戻るぞ』


 そう言うと、先ほどと同じ化け物に戻った。

 これには驚きしかない。


『とまぁ、龍脈を使えば姿を変えられることがわかった。そうこうしている内に、歳をとらなくなったのではなく歳をとりにくくなったのだということが判明したのだ。

 また時が過ぎ、次にリュウ様が見つけられたのは魔力だった。正確には、魔力に近いものと言えばいいだろうか。

 我らの周囲には常に「魔素」と呼ばれているものがあるらしく、それを操ることで龍脈と同じように力を扱えるようになった。

 しかし、魔素とは違い龍脈は大地に足をつけているか、体内に溜めておいた分しか使えないのだ。その分、魔素はどこでも使えた。

 龍脈には姿を変える力があった。ならば、魔素はどのような力があったかわかるか?』


 魔素……か。

 龍脈は姿を変えられたのだから、魔素では何が変わる?何を変えられる?

 俺は必死に思考するも、なかなか良いものが思い浮かばない。

 だけど、魔、と聞けばひとつだけ思い当たることがある。


「……魔王が生まれる?」


『なかなか鋭い。流石、特異点と言ったところか。だが、それでは不十分だな。

 正確には、魔素には感情を取り込む力があったのだ。喜び、怒り、哀しみ、楽しみ。それらの感情を取り込み、力とする。それが魔素だ。

 その内の哀しみの集合体が、魔王という存在になる。

 だがそれは、本来生まれてこないもの。原因は龍脈を扱うことにより活性化した世界の流れが生み出すようになったと言われているが、結局我らは解明できなかった。

 そして、魔王を倒すのは決して楽ではない。そこで、リュウ様が考案したものを用いて人族にやらせることとなったのだ。

 それが、君たち異世界人を呼び出すもの。

 そして、本来力を持たない異世界人だが、その魔方式にはある細工を施してあった。それは、その者が持つ感情の揺らぎを魔力に変換するというものだ。言わば、魔素の応用と言ったところか。

 ただ、これは魔素を扱うものではないから、君たちに魔素を扱うことはできない。特訓すれば、もちろん可能ではあるが。

 その感情の揺らぎは12〜18歳の者が最も大きく、そう言った者たちが現れるのだ。

 そして、遂に、リュウ様が3つ目の力を発見された。それが、体内に眠る自らの存在を力とするもの。これをリュウ様は存在力と名付けられた。

 その後、リュウ様は3つの力を同じ量で混ぜ合わせることに成功してしまい、知ってしまった。

 これらの力は何であったのかを』

補足:

魔素=魔気

龍脈=龍気=龍脈の力

存在力=血気

ということは、リステリアの力は不完全ということですね。


魔気設定(気体)密度低い、どこでも使える

感情を取り込んで初めて、力として使えます。

また、魔気とは、龍気が空気に溶け出したものとなります。なので、龍気から魔気への変換は可能ですが、逆はできません。一方通行です。この、変換した場合に限っては、感情を取り込まずに扱えます。一度体内を経由しているので。

液体から気体にすると体積が増えるのと同じように考えていただき、魔法の規模が大きくなります。


龍気設定(液体)密度普通、一部制限される

扱う量が多ければ多いほど寿命が長くなります。

これは血気から大地へ生命の力が還っていて、それを吸収しているからとなります。

ただ、寿命を削って力に還元する、という魔王との最終決戦時の奴は、まだここまでのことを考えていなかった時のものですので、設定に当てはまりません((ごめんなさい


血気設定(固体)密度高い、限られた範囲

生命の存在が土に還ることによって、血気が吸収され、龍気に変わります。魂の分は残してます。


最後に、血気以外は扱える量に制限はありません。集中の続く限りです。ただし熟練度が必要です。

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