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第4話 僕、迷宮探索するみたい

 朝になり、これから勇者一行とのことを考えるとこのまま狸寝入りしたくなる。

 でも、そういうわけには行かず、ミスティを起こして支度をする。


 冒険者で朝の待ち合わせをする時は、露店が開店するかしないかの時間帯に行けばいい。


 いつも通り、そう、冒険者と待ち合わせをした時のように開店するかしないかの時間帯に西門に行くと、既に4人は待っていた。



「おっせえぞ」


 昨日突然切りかかってきた来希との朝一番の会話がこれとなった。

 4人は名前で呼んでくれていいと言っていたのでそうすることにした。


 僕は思わず小首を傾げるけど、ミスティはその理由がわかっていたみたいで耳元で教えてくれた。


「おほようございます。朝の待ち合わせと言ったら、露店が開店するかしないかの時間帯なので次からは気をつけてください」


 あくまで僕たちに非はないと伝えると、男二人が抗議しようとした。それを女二人が宥めるとようやく訓練を始める。


 まずは全員の実力を知らなければならない。



「まずは『帰らずの遺跡』に行って皆さんの実力を見させて頂きます」


 と言うと、4人はそのダンジョンの名前に目を輝かせ、ミスティは「本当に行くの?」と聞いてきた。


「帰らずの遺跡であれば実力がわかるでしょう。それほど深く潜らなければおそらく大丈夫です」



 帰らずの遺跡。

 それはこの国に3つあるうちの1つであるダンジョンでこの世界の人たちは帰らずの遺跡と呼んでいる。

 何故、帰らずのというのか。

 それは、多くの冒険者が挑み幾多の試練の前に儚く命の灯火を消されたからだ。


 でも、僕とミスティならば何も問題はないはずだ。

 勇者一行は知らないけどね。


 でも、宮廷と同じレベルならそれほど心配しなくてもいいだろう。罠にさえ気をつければ。



「では行きましょうか」


 僕の一声で全員が移動を始めた。

 僕が方向を示してそっちに一直線に向かう。もちろん、正式なルートもあるけど魔物が出てくる道を選んだほうが実力がわかるというもの。


「っしゃ、俺が一番多いな」


 帰らずの遺跡に到着し、4人は倒した魔物の数で勝負していたらしく今回は冷が勝利したようだ。流石リーダーである。

 単に実力だけなら来希の方が強いらしいけど、頭を使った戦略も使う冷の方が最後は勝つみたいだ。

 因みに、怪我をした人がいないので真の実力はわからなかった。


 戦略としては、前衛の剣を持つ来希とメイスを持つ明菜がある程度弱らせ、冷が止めを一気に刺すといった感じだ。

 今回に限ってはバラバラに行動したいたけど。


 やっぱり、指揮官は頭が良くないとね。


「じゃあ30分くらい休憩してから中に入ろう」


 道中、勇者一行とはそれなりに仲が良くなり敬語は使わなくてもいいと言われるまでになった。

 ミスティはとても可愛がられ、本人は照れて突き放したりしているけどその表情を見れば嬉しそうなのは一目瞭然だ。


 勇者一行と僕とミスティの6人でのダンジョン攻略。一見、僕たちの強さを知らなければ無謀と言われるだろう。本来10人を超える中隊規模で攻略に乗り出すのが普通らしい。



「そろそろ行くよ」


 30分ほど経過したため、帰らずの遺跡へと足を踏み入れた。


 帰らずの遺跡はまるっきり西洋の遺跡とほぼ同じように見える。

 4人もそうらしく、観光に来たみたいだと言っていた。


 中に入ると、大量の魔物が跋扈していた。

 僕は魔物の処理を彼らに任せるとミスティの横でついて行く。


 やはり、彼らの実力ともすれば攻撃は受けるものの、目に見えた不利というのが無かった。


 そのまま下り階段の無い広間に辿り着き、その奥には祭壇があった。そして、その中央には見るからに怪しい宝箱がある。


「楽勝じゃんよー。あの宝箱!中に金入ってんじゃね?」


 来希が考えなしに宝箱に近づいて行き、その宝箱に手をかけた。


 その瞬間、部屋全体に魔法陣が広がり僕たちを光が包み込む。


「全員手を繋いで!」


 咄嗟に判断し、指示を出す。彼らは僕の言う通りに全員が手を繋ぐ。


 これはほぼ間違いなく転移魔法陣だ。全員がバラバラになるのを防ぐため、手を繋ぐということが大切になる。


 より一層強い光に包まれた僕たちはその広間から忽然と姿を消した。

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