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第7話 来希と王とダンバリン①

 遊園地が開催されて既に1年近くが経過しており、開業当初こそ平民も楽しんでいたが今となっては王族貴族の遊び場。そして季節に1度という頻度で平民が訪れる程度だった。

 それゆえに従業員は少なく、総勢100人程度。規模で言えばユ○バほどなので相当に少ないだろう。

 そして日が暮れる前に王都に帰らなければならないので閉館時間は早い。

 遊園地を作ろうと最初に提案した来希はこれらの問題に頭を抱えていた。

 このまま行くと赤字であり、出資者である第一王子のセレスに申し訳ないと思っているからである。


「来希様ではないですか。遊園地の方はどうですか?」


 彼に話しかけてきたのはダンバリンと言う第二王子の側近だった。第二王子はこの側近に似て、人を小馬鹿にした態度をとることが多く、勇者内でも嫌われ者の派閥だ。

 第一王子と第二王子では派閥があり、勇者は人当たりのよくリステリアのことも知っているセレスに力を貸している。


「変わってませんよ。大したことは」


「そうでしたか。いやはや、商売とは難しい物です。街中に配備れている魔道具だけでも売り物にすればいいのではないのですかな?」


「あれは国民に必要なものですから、あれで商売をするのはお門違いでしょう。国民の生活を豊かにするのは王族貴族、その関係者の義務ですから」


「立派な志ですねぇ。ですがそれがいつまでも続くでしょうか?」


 来希は足を止めて隣を歩いていたダンバリンに向き直る。


「それはどういう意味ですか?」


「はは、なに。聞くところによれば、魔王と仲が良いらしいですね」


「おや、無言ですか?……まぁいいです。魔王なんぞと仲良くしているあなた方のことを危険だと言っている貴族は多いのですよ。それに与している第一王子であられるセレスティン様も」


 魔王とはもちろんリステリアのことだ。

 来希は言葉を返すことなく、ダンバリンを置いて歩みを再開した。

 来希は王城の一角、王の私室まで来て、いつまで付いてくるのかとダンバリンに尋ねる。


「私も呼ばれているのですよ」


 来季は「そうか」と吐き捨てるとノックをして入室した。


「よくぞ来た。二人とも」


 王の私室には王がたった一人で待っていて、来希とダンバリンは恭しく頭を下げる。

 王はまず来希に用件を問い質した。


「明日、勇者全員で龍王国に行ってきます」


 今日来希がここへ来たのは、昨日リステリアが誘ってくれたので本当に行こうとしているからだ。勇者が突然姿を消すのは少しまずいという結論を導いた彼ら勇者は国王だけにでも伝えておくべきだと判断したのである。


「龍王国へ?どうして行くのですか?」


 そこへダンバリンが割って入る。

 この報告にダンバリンは関係なく、特に報告なんてしなくても勇者たちは行っていいのだがわざわざ進言している。


「リステリアに誘われたのですよ」


「なんと!魔王に?」


 その言葉に来希はすぅっと目を細めてダンバリンを見た。ゾッと背筋が総毛だったダンバリンは慌てて謝罪する。


「申し訳ない。いやしかし、人族が龍族と遊ぶなど、時代も変わりましたな」


 思わずため息を零した来希は、これ以上話すことはないと言わんばかりに立ち上がった。


「少し待て、来希殿」


 それに気付いた王が慌てて引き留める。王もまた、来希たち勇者に用があるのだ。


「なんでしょう?」


「勇者のみで龍王国へ行くというのはなんともしがたい。私も連れていってもらえるか?」


 その言葉に驚きの表情を隠せない来希とダンバリン。ダンバリンに至っては「こいつ大丈夫か?」とでも言いたげな目で王を見ている。


「それとセレスもリステリアと会いたいと言っているので、私たち二人と護衛の者も連れて行く」


 流石にそれだけの大所帯となるとどうすればいいのかわからず困惑を浮かべる。来希はどうすればいいかわからず、そもそも龍王国へ入るにはリステリア特製のペンダントが必要だったことを思いだした。


「龍王国の地は龍脈の力で満ちていて、人族が入れば意識を失うらしいのですが⋯⋯」


「何?だが来希殿たちは行くのだろう?」


「え、と、はい。リステリアがくれたもので、このペンダントの魔道具を身に付けていれば大丈夫だと言われました」


 首から下げているペンダントの形をした魔道具を取り出し王に見せる。

 ペンダントには一つの宝石が嵌っていて、翡翠の輝きを放っている。王国では魔道具と言えば魔石が主流なため、魔石を使っていない龍王国の技術に目敏く気付いた王は来希に尋ねる。


「これと同じものを作れるか?」


「う~ん。出来ないことはないと思います。設計図ももらってますから」


 その言葉に、王はすぐに魔道具職人を手配するよう影で控えていた者に伝えると、来希から設計図を受け取った。

 王はそれを見ても何もわからずさっぱりだったが、来希が言うのであれば出来るだろうと判断し魔道具職人に全てを預けることにした。魔石は貴重であるが宝石はそうでもない。むしろ魔石を持っていることが貴族としてのステータスに繋がることから、宝石類は平民でも簡単に手に入れることが出来るのだ。

 費用も浮き龍王国へも行けるし技術も上がる。王からすればこれ以上ないほどの機に身震いをするのだった。


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