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第8話 僕、女神装備をするみたい

 鐘の音を聞くとすぐに行動に移す。今回呼ばれたのは僕と勇者一行なので、彼らと共に王宮へ行くことにする。王宮に入ってから着替えるようなので僕は冒険者の服装のまま行くことにした。


 王宮の城門に着くと玲が幾らか兵士と会話をするとすんなり通る事ができた。勇者のネームバリューの凄さがわかる。でも今回の謁見の主役勇者一行では無く僕みたいで、あくまで受け答えは僕自身がしなければいけないとのことだった。


 王様と話すのは普通の敬語でいいのだろうか?それに貴族言葉のような迂回した言い方は捉えることが出来ないので、是非普通に庶民的な会話をして欲しいと思う。


 まずは控え室に通されることとなり、僕と女性陣が同じ部屋に入って男性陣は別の部屋に入ることとなる。

 そこで、僕はあの女神装備をするならばキースさんとナースさんがいた方がいいな、と考えた。


 その時、ふとリヴィはまだ召喚する事が出来るのか気になった。そのことについては説明されていないので出来るかもしれないけれど、もしかすると龍化状態で来る、と考えるととても呼べない。

 しかし贅沢なことは言っていられないので物は試しとも言うし、召喚してみようと魔力を高めていく。


「何をしてるの?」


 僕が目を閉じて集中していると真が聞いてきた。二人とも気になるようで、答えなければ集中できなさそうだ。


「リヴィを呼ぶんだよ。リヴィにして欲しいことがあるからね」


 そう言いつつも魔力の高まりを感じ、ここだ!と言うところで言葉を紡ぐ。


『召喚!聖龍リヴィテウス!』


 瞬間、部屋の一部分に小さな光が灯った。そう言えば以前、リヴィが帰った時に魔法陣が出てこないことを思い出した。あれは僕に対しての配慮だったのかもしれないと思い直す。


 それから徐々に光は強まり、人の大きさほどになると一人のお爺さんが現れた。それこそが聖龍リヴィテウスの人状態である。

 突然呼び出したにも関わらず混乱していないようで、逆に僕の方が困惑した。


「リヴィにお願いがあるんだけど……」


「ふむ。謁見じゃな。任せておけ」


 僕たちと今いる部屋を見てすぐ様判断したリヴィは一瞬にして姿を消した。あっという間に状況理解に加え行動に移す素早さといい、宰相と言うのはこうも高性能でなければならないのだろうか。


 暫く待っていると3人の姿が現れた。姿がハッキリすると、それはリヴィとキースさんとナースさんだった。久しぶりに会う彼女たちは少しだけ涙を流している。そんな顔をされたら僕も泣いてしまいそうだ。


「「リステリア様……!」」


 二人ともが声を揃えてそう言った。その声には喜色が含まれていて、心の底から僕も嬉しく思う。もう二度と会えないかもしれないと思っていたから、再会することに対して忌避感を少しばかり持っていたのだ。


「じゃあ、お願いできる?」


 僕が女神装備を二人に差し出すと、二人は力強く「はい!」と返事してくれた。とても心強く思う。彼女たちなら何時でも信用できそうな気がするし、別れの時に言っていた「いつでもリステリア様の味方」という言葉に信憑性を持たせた。


 二人は一瞬にして僕を完璧に仕上げてくれた。流石、としか言いようが無く二人に感謝の言葉を伝えた。すると、何故か泣かれてしまった。どうしてかはわからないけれど僕も悲しくなってしまう。二人をなんとか宥めた。


 そこへ一人の男性がノックをして入室してきた。その男性は王様を補佐する宰相という立場にあるようで、今回の謁見を取り仕切っている人らしい。

 ギルウェン・レイシスターと名乗ったその人は気軽にギルと呼ぶように、と言い放つ。僕はその言葉に甘えてギルさんと呼ぶことにした。


「……ところで、その衣装はどうされたのですか?」


 とても言いにくそうに口を開いたギルから放たれたのはそんな言葉だった。女神装備に眉を顰められるのは少し、いや大分ストレスが溜まる。自然と瞳に力が入ってしまいギルを萎縮させてしまったことを少しばかり後悔しながらも答える。


「これは龍王国を出た際に侍女たちから貰った衣装です。ここにいるキースさんとナースさんは龍王国での僕専用の侍女ですので呼ばせていただきました。こちらのお爺さんは龍王国の宰相です」


 一気に捲したてるとギルは顎が落ちそうなほどあんぐりと口を開け呆けたように目をぱちぱちと瞬きさせた。


「そう……ですか。いえ、それなら勇者よりも強いというのは信じられますね。龍王国の宰相殿とは後ほどお話しをさせていただきたいのですが……」


「かまわぬ」


「ありがとうございます。ではーー」


 それからは謁見の流れを説明され、王様からしか話しかけられないはずなので「はい」や「いいえ」など、簡単な言葉で返事するだけで良いと言われた。


 それからギルが出て行って少しすると昼になってから二度目の鐘が鳴り響く。これが謁見の間へ移動する時の合図だと言われていたので、僕たちは移動を始めた。

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