俺の影
拙い文章ですがよろしくお願いします。
俺は二十歳なった。
現在は二浪中の浪人生。
高校生のとき将来は外科医になると決意し、医学部を受験するも、惨敗。それも二回。
高校二年生のときから付き合っていた彼女とも一週間前に別れた。
理由は『あなたに甲斐性がないから』らしい。
いま思うと彼女が俺と付き合い始めたのは俺が医学部に受験すると言ってからだった。
世の中は金なんだよな。
ここ最近は楽しいことなんて全くない。最後に笑ったのはいつだっただろうか? 思い出せない。
じゃあ笑ってみよう。……頬の筋肉が全く動かない。
俺はまだ両親のもとで暮らしているが、バイトもせずに家で勉強してるだけで親に負担をかけてることも自覚している。
最近は両親の目が生暖かくて俺を苛立たせる。近所の人たちは遠慮のない蔑んだ目で俺を見る。それも俺を苛立たせる。
だから俺が外を出歩けるのは夜中だけとなってしまった。
八月の上旬。月も届かない曇天の夜、気分転換に散歩に出た。
「くそっ、何が甲斐性だよっ、知るかっそんなもんっ」
三年付き合った女のことを思い出す。今にして思えばこれといって可愛いわけじゃなかった。こんな女、こっちから願い下げだ。
「くそっ! くそっ! くそっ! くそっ!」
俺は街灯に向かって不潔な言葉を吐き散らしながら蹴りを入れる。
「二浪ぐらい、いいじゃないかっ! 世の中にはもっと酷い人生送ってるやつだっているんだ。そいつらと一緒にすんな!」
いくら蹴ってもビクともしない街灯。俺の周りをあざ笑うように舞う蛾。そして街灯の灯りによって浮きでた影。全てが俺を否定する。
――よう。
「っ!?」
一瞬耳鳴りのような音が頭をかける。
「よう。俺」
今度は確かに聞こえた。しかしその声はどこから響いているのか? その声は聞き取るにはとても篭って聞こえ、まるで自分の中から聞こえるようだ。
「だ……誰だ……?」
「ここだよここ、下見ろ」
言う通りに下を見やると映るのは影と石ころだけ。そのとき小学生の頃の記憶を思い出す。恐くて怖いと思っていたあの日々を。
「嘘……だろ」
紛れもなくそこにいたのは影。周りに人はいない。
「初めまして……というには少し長い付き合いだったかな」
畏怖、という言葉では表せない。そんな感情が体を支配する。
逃げなきゃと思い、走り出そうとするが影からは逃げきれないというのはとっくに知ってた。何よりこの影に包まれた闇に俺の逃げ場などありはしなかった。
お読みくださりありがとうございました。
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